知床斜里のにんじんジュース | 農家と農協職員の想いが形になって誕生した!26年前の誕生秘話

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モリユウヤ

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「このにんじんジュース、本当に砂糖が入っていないの!?」

原材料は知床・斜里町で作られたにんじんと風味づけのレモンだけ。それなのに、砂糖不使用を疑うくらい甘いにんじんジュースがあります。

実はこのにんじんジュース、知床の地で約25年前に農家の抱える課題と農協職員の想いがかけ合わさって生まれた一品です。

この記事では「知床ならでは」を感じられる、にんじんジュースをテーマに、その誕生に隠された想い、そして実際にどこで購入することができるかまで、詳しくご紹介します。

実際に現地に行って話を聞いてきたからこその、生の情報をお届けいたします。ぜひ最後までご一読ください。

にんじんジュースの誕生:農家の抱える課題と農協職員の想い

今回お話をお伺いするのは、しれとこ斜里農業協同組合の篠原さん。

素敵な笑顔が印象的な篠原さんは、現在にんじんジュースをはじめとした農産加工品のプロデュースや販売などに携わります。

ー本日はよろしくお願いします。早速ですが、にんじんジュースはいつから作られているのでしょうか。

よろしくお願いします!

実際に、にんじんジュースを販売開始したのは平成9年(1997年)と聞いています。

販売にあたっての試作を含めるともう少し前から作られていたと思います。

ーそうなんですね。26年もの歴史があるにんじんジュースですが、なぜ製造を開始することになったのでしょうか。

きっかけは外部からのお声がけでしたが、当時にんじん農家の方が抱えていた「ある2つの課題」を解決したいと当時の農協職員が動いたことが背景にありました。

知床・斜里のにんじん農家が抱えていた「ある2つの課題」

春先に畑から斜里岳を望む

ーそうだったんですね。「ある2つの課題」について詳しくお伺いできますか?

それは「規格外品の発生」「大規模農業化」です。それぞれについて詳しくお話ししますね。

規格外品の発生

まず1つ目の「規格外品の発生」についてです。

当たり前ですが、実際に作られた野菜が全て皆さんの手元に届くわけではないんです。

悪くなっている野菜が除かれるのはもちろんですが、多少形が悪かったり、少し割れていたり。それだけで毎年5割以上、悪い年では8割近くのにんじんが規格外品となっていました。

もちろん、規格外品の中でも程度によっては販路があったり、家畜の餌として利用できる部分もありますが、それでも処理しきれない部分は廃棄されていました。

今もそうですが、当時の担当者の中にも「味は変わらないのにもったいないな」と思うと同時に、「そういったものを利用して何かできないか」という考えがありました。

道東エリアでの大規模農業化

次に2つ目の「道東エリアでの大規模農業化」についてお話ししますね。

知床斜里町が位置する北海道の道東エリアは、日本の中でも有数の大規模農業エリアとして知られています。

 一経営体当たり経営耕地面積(農業経営体)
該当するエリアのすべての農地の大きさを、そのエリアで操業する農家の数で割った数値。
2020年のにんじんの作付け面積について、北海道を除く全国の平均が一経営体あたり0.38haなのに対して、知床・斜里町は一経営体あたり3.07haと、全国平均の約8倍もの農地の広さを誇る。

引用:農林水産省・農林水産統計

大規模農業では、それだけ農業機械の力が必要になります。その農業機械を導入する費用負担は農家の方にとってかなり大きいものだったと聞いています。

農家の方が機械の費用を捻出するために農協として何かできることはないか、と考えた事業の側面もあったと聞いています。

ーなるほど!当時の農家の方が抱えていた「規格外品の発生」と「大規模農業化」に伴う課題を解決したいという農協職員の方の想いが形になり、にんじんジュースが誕生したんですね。

そうですね!

それに加えてにんじんジュースの誕生から今に至るまで、私を含めた担当職員は、共通するある想いを持って携わってきました。

誕生から26年・担当者が変わっても変わらないある想い

ー約25年変わらない想い。それはどのような想いでしょうか?

当然ではありますが、「斜里の野菜の良さを知ってほしい」という想いです。

斜里町の農業に農協職員という立場で関わる以上は、斜里の野菜を世の中に広めたい、そして「斜里の野菜はいい野菜だね!」と言われたいですね。

斜里の野菜や農作物は本当にいいものなので、斜里でとれた美味しい野菜や農作物をみんなに食べてもらいたいと思っています。

ー素敵ですね!実際ににんじんジュースや他の加工品、そして斜里町で採れた野菜をいただきましたが、どれも本当に美味しかったです。

ありがとうございます!

直近では、「斜里の野菜の良さを知ってほしい」という想いを実現するために、SNSやECサイトの開設をしました。

SNSでは、にんじんジュースなどの加工品について情報発信をしています。

JA知床しゃりのinstagramでは素敵な写真が投稿されている

https://www.instagram.com/ja_shiretokoshari/

また、ECサイトでは遠くにお住まいの方でも、気軽に商品を購入いただけます。

https://www.ja-shiretokosharishop.com/

「にんじんと聞いて逃げ出す人ほど、飲んでみてほしい」にんじんジュースへのこだわり

ー「にんじんと聞いて逃げ出す人ほど、飲んでみてほしい」と書いてあるポスターをみました。実際に飲んでみて非常に爽やかで美味しかったのですが、どこにこだわりをお持ちでしょうか?

にんじんジュースに実際に携わって驚いたのが、にんじんとレモンだけで作られているところ。そして、そこがこだわりですね。

原材料が2つだけと聞くと、土臭いドロッとしたにんじんの風味を想像されると思うのですが、そうではないんです。

私も野菜ジュースはそんなに好きではないのですが、このジュースならスッキリした風味で美味しく飲めるな、と思いました。

だからこそにんじんが苦手な人にこそ、一度は飲んでほしいと思っています。

ーあまりにんじんが好きでない自分でも箱買いしてしまいました(笑)ちなみに商品はどちらで購入できるのでしょうか?

ありがとうございます!

商品は、斜里町内でしたらさまざまな場所で購入することができます。先ほどお話ししたようにECサイトでも販売しているので、知床にお住まいでなくてもお買い求めいただけます。

https://www.ja-shiretokosharishop.com/

ーそうなんですね!ぜひこちらから買ってみますね。今日はありがとうございました。

ありがとうございました!

まとめ

ここまで、JAしれとこ斜里が手がけるにんじんジュースについて、その誕生秘話をご紹介しました。

この記事の内容をまとめると以下のようになります。

  • にんじんジュースは、当時の農家が抱えていた「規格外品の発生」「大規模農業化」の2つの課題を解決したいという、当時の農協職員の想いが形になったもの
  • 「斜里の野菜の良さを知ってほしい」という担当者の純粋な想いが綿々と紡がれてきた
  • 日本中どこにいてもJAしれとこ斜里のECサイトで購入できる

にんじんと聞いて逃げ出す人も、にんじんが好きな人も、ぜひ想いが詰まったにんじんジュースを飲んでみてください。

また、今回お話をお伺いしたJAしれとこ斜里の篠原さんの想いについて、詳しくお話を聞いた記事についてはこちらをご覧ください。

https://spark-pjt.com/jashiretoko-interview

この記事を書いた人

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モリユウヤ

スパークプロジェクト主宰。現役大学生。 SUPの上から見た夕陽でアクティビティの魅力に取り憑かれ、アクティビティをテーマに自転車で日本一周していました。 さらに魅力を伝えるためにwebメディアに注力しています。

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