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  • 知床で登山するなら知床山考舎がおすすめ!その理由とアクティビティをご紹介

    圧巻の大自然を味わうことができる北海道・知床。 ドライブや遊覧船など、さまざまな方法で知床の魅力を楽しむことができます。 その中でも、ディープな知床を味わいたいのであれば、知床の地で長くガイドを営む「知床山考舎」がおすすめ! この記事では以下の内容を中心に、知床山考舎さんに実際にインタビューした生の情報をお伝えします。 ・なぜ知床山考舎がおすすめなのか・どのような体験を楽しむことができるのか 知床に行ったことがある人も、行ったことがない人も、最大限知床を楽しむ情報を知るために必見の情報です。 ぜひ最後までご一読ください。 知床山考舎とは? 知床山考舎とは、2003年に設立された知床エリアを中心とした山岳ガイド会社です。 「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」という代表の滝澤さんの想いにより運営されています。 代表の滝澤さんの想いについて興味のある方はこちらの記事をご一読ください。 https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/ 滝澤さんは知床エリアでの登山ガイドの第一人者であり、知床山考舎では知床の山々を楽しむことができます。 知床エリアでの登山がおすすめな理由:「とにかくすごい密度」 知床エリアを楽しむ方法は無数にありますが、ディープな知床を味わいたいのであれば登山がおすすめ。 その理由は「とにかく密度がすごいから」。 知床山考舎代表・滝澤大徳さん 知床山考舎の代表・滝澤さんは知床の山についてこのように話します。 「山と海とすごくダイナミックな景色を楽しむことができます。 もちろん見た目だけでなく、環境の変化の仕方もダイナミックなんです。 羅臼岳は1661mしかないけど、本州の北アルプスの2800-2900mの環境に匹敵すると言われています。 幅の狭い知床半島に垂直面がぎゅっと押し込まれているわけだから、その分濃い環境を味わうことができますよ。」 知床を代表する羅臼岳 知床には、何万年も前の火山活動によって形成された急峻な山々や、切り立つ海岸線が広がります。 オホーツク海と太平洋を分けるように突き抜けた狭い半島に、豊かな自然がぎゅっと詰まっています。 知床山考舎が、初心者にも玄人にもおすすめな3つの理由 ここまで、知床での登山の魅力についてご紹介しました。 ここからは、知床で登山をするときに、知床山考舎が誰にとってもおすすめな以下の3つの理由について詳しくご説明します。 安全性が高いこと 経験豊富なガイド 幅広い対応力 それぞれについて詳しく見ていきましょう。 理由1. 安全性が高いこと まず1つめに、知床山考舎の高い水準での安全対策により、安全性が高いことが挙げられます。 登山には魅力が多くありますが、その一方で危険も多く存在します。 知床山考舎の代表・滝澤さんや他のスタッフの方は2003年のガイド会社設立以来、高い安全性を保つために認定制度の受講など、自己研鑽を続けています。 また、ツアー中の衛星携帯電話の導入や、冬山登山における雪崩対策のためにアバランチトランシーバ(雪崩ビーコン)を導入したり、高い安全性を保っています。 理由2. 経験豊富なガイド 2つ目に、知床山考舎の豊富なガイド経験がおすすめな理由として挙げられます。 知床山考舎の代表・滝澤さんは、実際に知床エリアに在住するガイドというだけでなく、登山道の整備などにも携わるなど豊かな経験を持ちます。 冬の知床連山での滝澤さん・知床山考舎さまご提供 知床の山について誰よりも考えて、実際に行動している知床山考舎だからこそ、安心してガイドに参加することができます。 理由3. 幅広い対応力 知床山考舎では、決められたルートを、ただガイドについていく形式のツアーではなく「その人が何を求めているのか」を重視してガイドをしています。 これはプライベートガイドだけでなく、気軽に参加できるスケジュールガイドでも、その姿勢を貫いています。 「知床の山でこんなことがしたい」「この景色を絶対に見たい」という思いが強い人は、知床山考舎がおすすめです。 ツアー中の景色・知床山考舎さまご提供 ここまでご紹介したように、知床山考舎は不安なことが多い登山の初心者の方にとっても、より高みを目指したい上級者の方にとってもおすすめな山岳ガイドです。 知床山考舎のおすすめアクティビティ2選 ここからは、知床山考舎が提供するアクティビティについて、以下の2つのジャンルをご紹介します。 ・トレッキング・ハイキング どちらのアクティビティも知床の大自然を味わい尽くすことができます。 それでは詳しく見ていきましょう。 1.トレッキング まず初めにご紹介するのは、「知床山考舎」の名前にもある「山」のアクティビティであるトレッキングです。 羅臼岳山頂からの眺め・知床山考舎さまご提供 知床山考舎の代表・滝澤さんは知床の魅力について「広がり的には狭いのかもしれないけど、密度が高く、自然が広がっている」と語ります。 そして同時に「知床連山は海に突き出ていて、山に登りながら海を眺めることができますが、そんな環境ってあまりないですよね。」とも話します。 オホーツク海と太平洋を分けるように突き抜けた半島には、大自然がぎゅっと詰まっていて、登山ではその大自然を全て楽しむことができます。 滝澤さんの言葉に興味のある方はこちらの記事もご覧ください https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/ 大迫力のテント場・知床山考舎さまご提供 知床山考舎では、参加者に合わせたさまざまなプランがあり、多くの楽しみ方を提供しています。 詳しくは知床山考舎の公式HPをご覧ください。 ▼知床山考舎・公式HPhttp://info.trek-shiretoko.com/?page_id=2135 2.ハイキング トレッキングよりも手軽に知床を楽しみたい方におすすめなのがハイキングです。 夏には羅臼湖や硫黄山新噴火口をハイキング、冬にはスノーシューを履いて瑠辺斯岳や天頂山などを楽しむことができます。 硫黄を含んだ蒸気が立ち上る噴火口は圧巻そのもの・知床山考舎さまご提供 トレッキングに比べて手軽なので、天候が悪くて元の予定を楽しむことができないといった時でも知床の織りなす大自然を満足に味わうことができます。 スノーシューでたどり着いた絶景・知床山考舎さまご提供 まとめ この記事では知床の大自然を堪能するために、おすすめなアクティビティについてご紹介しました。 記事の内容をまとめると以下のようになります。 知床山考舎は20年近く知床エリアの山々を思って行動を続ける山岳ガイド会社 知床エリアは大自然の密度が高く、登山がおすすめ 知床山考舎は初心者にも玄人にもおすすめ また、知床山考舎の代表・滝澤さんは非常に素敵な想いを持って山岳ガイドを続けています。 ぜひこちらの記事もご覧ください。 https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/

  • 【知床山考舎代表・滝澤大徳氏に聞く】北海道・知床の山への想い

    北海道の北東部に突き出た、大自然が色濃く残る知床半島。 知床半島の豊かな生態系を支える一つに、羅臼岳・硫黄山・天頂山が連なる知床連山があります。 今回は、その知床連山で専門山岳ガイドを20年近く続けている知床のプロ「知床山考舎」の滝澤さんに、ガイドを始められた経緯や想いをテーマにお話を伺いました。 20年近く変わらない想いを抱き続ける滝澤さんのお話は、自然を愛する人なら誰もが共感するものだと思います。 どうぞ最後までお読みください。 知床山考舎・滝澤さん 経歴:博物館、地方公務員、そして知床山考舎の旗揚げ ー本日はよろしくお願いします。簡単に現在の山岳ガイドとしての活動をご紹介いただけますか? よろしくお願いします。 知床連山をはじめとした、北海道のさまざまな山々のプライベートガイドをしています。 そのほかにも、ツリーイングのインストラクターから、取材のガイドやコーディネーターまで幅広く活動しています。 また、羅臼岳などの山岳環境の保全活動にも主体的に取り組んでいます。 保全活動のご様子。近自然工法を採用している。知床山考舎様ご提供 ーありがとうございます!今は専門の山岳ガイドとして活動されている滝澤さんですが、これまでのご経歴をお伺いできますか? 函館の隣町である北斗市で生まれ、高校まで函館で過ごしました。 その後は大学進学に伴い札幌に移り、在学中の4年間は札幌近郊の江別市にいましたね。 高校、大学と、ボート部やワンダーフォーゲル部に所属していたので、学生時代から常に自然には触れていました。 大学生のとき、学芸員を目指して部活に励んでいたところ、ちょうど知床博物館で調査補助員の求人募集があり、知床に来ることになりました。 調査補助員として採用されて、夏の間は遺跡の発掘に関わっていましたが、冬の間は館内で学芸員の補助としていろいろな体験をさせてもらいました。 その後は周りの勧めもあり、公務員試験を受けて斜里町に採用され、自然保護係に配属されました。 そこでは、知床100平方メートル運動の事務局や知床エリアの調査でヒグマの捕獲を手伝うなど、一般に知床を楽しむ以上のことをさせてもらいましたね。 自然保護係として勤務したあと、観光課でも働きましたが、北海道のアウトドアガイド制度が始まったこともあって、ガイドとして独立し、知床山考舎を立ち上げ、今に至ります。 ※アウトドアガイド制度とは2002年から始まった公的なガイド認定制度。参加者の安全だけでなく、ルールや環境にも配慮しつつ自然の素晴らしさを紹介してするアウトドアガイドについて、北海道知事が認定する資格制度です。 北海道アウトドアセンター資格制度業務センター ツアーではこんな景色が見られます。知床山考舎様ご提供 ーなかなか面白いご経歴ですよね。なぜガイドとして独立しようと考えたのでしょうか? 当時、斜里町には「プロの登山ガイド」がいなくて、自分がその役割を担うことができるんじゃないかと思いました。 博物館にいた頃や町職員として働いていた頃も、観光目的だけでなく、調査目的での知床の山に関する問い合わせがたくさんありました。 しかし、山について専門的な知識を持っていて、それに対応できる、いわゆる「プロの登山ガイド」がいなかったんですよね。 そんな問い合わせがあると私に回ってくることが多かったのですが、職員であるからどうしても対応できる範囲が狭かったんです。 ガイドである前に職員であるから、立場的に、地域や山に対して意見を言っても弱かったり、ガイドもほとんどボランティアみたいになってしまい、責任があいまいになっているのを当事者として感じていました。 ちょうどその頃に、北海道でアウトドアガイド制度が始まったんです。 そのガイド制度のモデルケースでの協力を求められ、それに関わったときに「もやもやしていたけど、ガイドをやればいいんじゃないか」と気づきました。 最初は、役場の仕事をしながら夏山ガイドの資格を取って将来に向けて準備を始めましたが、やはりガイドに専念したいと思い、2003年の7月に知床山考舎を立ち上げ、今に至ります。 知床山考舎様ご提供 想い:「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」 さまざまなお仕事を経て、専門の山岳ガイドの活動を始めた滝澤さん。知床山考舎を立ち上げて20年弱が経ちますが、立ち上げた当初から今まで同じ想いでガイドを続けられています。 ーどのような想いでガイドをされていらっしゃるのでしょうか? 「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」という想いですね。 そもそも知床山考舎を始めたきっかけは、プロのガイドがいないことによるさまざまな課題を解決したいと思ったことでした。 当時から今までその想いは変わっていません。 登山道整備という形で直接的に山に手を加えているのも、多くの人に楽しんでもらうためですね。 そのほかにも、取材協力など、いろいろな形で山の情報について発信していますが、全ての活動がその想いに繋がっています。 これからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していくことが必要だし、今後も知床山考舎として活動を続けていこうと思っています。 知床山考舎様ご提供 「考」であり「行」であり「工」であり「孝」である知床山考舎 ー何ができるか考えて行動していく。まさに「山考舎」ですね。 そうですね。知床山考舎の名前にはいろいろな想いが込められています。 山行という意味での「行」。 また、私たちだけでなく、山に入る人にはその山のことを「考」えてほしい。 そして考えた上で「行」動してほしい。 そして私が担っている山の環境整備という工事の「工」もそうだし、山に恩を返す意味で親孝行の「考」。 知床山考舎の名前には、全ての意味や考えをまとめた想いが込められているんです。 知床山考舎ロゴ・参考舎さまご提供 知床連山の魅力:「広がりは狭いけど密度がある」 ー想い、そしてその想いが込められた「知床山考舎」という名前、全て素敵です!多くの人に楽しんでもらいたいとのことですが、滝澤さんが感じられる知床連山の魅力はどこにあるのでしょうか? 広がり的には狭いのかもしれないけど、密度が高く、自然が広がっているところでしょうか。 知床連山は海に突き出ていて、山に登りながら海を眺めることができますが、そんな環境ってあまりないですよね。 冬はオホーツク海に押し寄せる流氷を楽しむことができる・知床山考舎様ご提供 山と海とすごくダイナミックな景色を楽しむことができます。 もちろん見た目だけでなく、環境の変化の仕方もダイナミックなんです。 羅臼岳は1661mしかないけど、本州の北アルプスの2800-2900mの環境に匹敵すると言われています。 幅の狭い知床半島に垂直面がぎゅっと押し込まれているわけだから、その分濃い環境を味わうことができますよ。 ーそれだけ濃い魅力を味わうことができるんですね!ぜひ冬山では滝澤さんにガイドをお願いしたいです。本日はありがとうございました! 取材の終わりに 知床エリアが世界自然遺産に登録される前からガイドとして活動し続けてきた滝澤さんの想いは「誰かのために」という気持ちが根本にありました。 そして、目の前にある課題に対して、静かに、そして確実に一歩一歩行動していく姿はとてもかっこよかったです。 そんな滝澤さんの姿を見て、働く意義について改めて考えさせられました。

  • 北海道・清里ならではをぎゅっと一瓶に。じゃがいも焼酎「北海道 清里」

    「水の生まれる里」北海道・清里町。 北海道の北東部に位置する清里町には、その名の通り清らかな水と、綺麗な水が生んだゆったりとした風景が広がります。 清里町の名産品であるじゃがいも焼酎「北海道 清里」には、この土地ならではの魅力がぎゅっと詰まっています。 そんな「北海道 清里」は、その成り立ちから現在に至るまで、想いのバトンを綿々と繋いできました。 今回はじゃがいも焼酎「北海道 清里」に詰まった清里町ならではの魅力やこだわりをご紹介します。 実際に取材に行ったからこそ得られた生の情報をお届けしますので、ぜひご一読ください。 じゃがいも焼酎「北海道 清里」の原点から今に至るまで 製造当初から今まで町民から広く愛されるじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 「北海道 清里」は、1975年に自治体主導の焼酎蔵として事業を開始して以来、50年弱の歴史があります。 その始まりから今に至るまで、さまざまな人の想いがバトンのように繋がれてきました。 町民の想いをカタチに 百名山・斜里岳から流れる清らかな水と肥沃な土壌。 そして雨の少ない環境と日本屈指の大規模農業を活かして、清里町では昔から馬鈴薯(ジャガイモ)や小麦、甜菜(ビート)といった畑作が盛んに行われてきました。 しかし、それらの農作物は出荷後にでんぷんや砂糖など、他の形に加工されてしまい、町としての特産品はない状態でした。 そういったなかで、町民の「清里町の誇れる特産品がほしい」という想いが生まれ、1975年に自治体主導でじゃがいも焼酎の事業を始めました。 戦時中、清里町からほど近い北見市で、じゃがいもからアルコール燃料を作る事業が行われていた背景もあり、「じゃがいもからアルコールができるのなら、焼酎もできるのではないか」という発想から、じゃがいも焼酎が生まれたそうです。 全くのゼロから手探り状態でのスタートを切った焼酎造り。 当時清里町に入庁したばかりのひとりの町職員が、街からの勅命を受け、焼酎造りという困難なプロジェクトに取り組むことになりました。 彼は明治時代からの歴史ある国立醸造試験所での約1年間の研修後、4年近い試験製作を行い、1979年に「じゃがいも焼酎 きよさと」として販売を開始しました。 発売当時は焼酎ブームだったことや生産量が少なかったことから「まぼろしの焼酎」と呼ばれるなど、焼酎ファンの間で密かに人気を集めていました。 リブランディング その後、複数の焼酎ブームに乗る形でじゃがいも焼酎「北海道 きよさと」の人気は拡大を続けました。 また、各時代に求められるように商品ラインナップを増やした結果、同時期に最大で20ほどのブランドがあったといいます。 さまざまなデザインやブランドが混在していた状況にありましたが、2010年代後半の焼酎ブームの落ち着きに伴い、デザインの変更に乗り出したのが当時製造担当の職員であった廣谷さんでした。 廣谷さんは網走で生まれ育ち、東京農業大学で醸造学を学んだのちに、焼酎の醸造を行うために2007年に清里町へやって来ました。 そして、ローカルデザインの第一人者である江戸川大学(当時)の鈴木輝隆教授の助力を得ながら、大黒大悟、天宅正、高田唯の3人のデザイナーを中心としたプロジェクトチームを立ち上げじゃがいも焼酎全体のリブランディングに取り組みました。 リブランディングとは事業や製品の世間からの「見られ方」を企業が目指すブランド像に近づけること。具体的には、コンセプトやパッケージ、ロゴなどの刷新を指す。 廣谷さんは「清里町の魅力と北海道らしさがはっきり伝わるデザインを目指しました」と話します。 リブランディングに際して、実際にデザイナーたちも清里町を訪れ、町民を巻き込みつつ、「清里町の魅力」について2年かけて話し合いました。 その後、2014年に「焼酎を日本のスタンダードから、世界のスタンダードへ」をコンセプトにリブランディングが完成。 リブランディングでは、コンセプトの刷新から商品ラインナップ、瓶の形状までも大きく変更され、じゃがいも焼酎「北海道 清里」は次の時代へ歩みを進めました。 「清里町ならでは」が詰まったじゃがいも焼酎「北海道 清里」 想いのバトンを繋ぎ続け、現在まで50年近く製造が続くじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 これだけ長く愛される背景には「清里町ならでは」へのこだわりがあります。 ここでは、そのこだわりを2つご紹介します。 ・原材料へのこだわり・コンセプトへのこだわり 原材料へのこだわり じゃがいも焼酎「北海道 清里」の原材料は大きく分けて「じゃがいも」「水」「大麦」の3つ。 そのうち、じゃがいもと水は清里町産のものを100%使用しており、大麦も清里町が位置する北海道道東エリアのものを使用しています。 廣谷さんは「お酒造りというのは、でんぷん質や糖質を発酵させてアルコールに変化させるので、寒暖差の大きい清里町で作っているでんぷん質が多いじゃがいもはお酒造りととても相性がいいんです。それに、でんぷん質が多いかわりに他の成分が少ないので、余計な雑味が少なく、綺麗な焼酎が造りやすいんですよ。」と話します。 「水源地が斜里岳の山の方にあるので、水源地と醸造所がとても近く、水の品質がいいんです。うちの蔵で実際に仕込みに使っている水も、町で使われている水道水と同じ水を使用しています。」 つまり、斜里岳に近く水が美味しい、清里町ならではの気候と農作物が、じゃがいも焼酎「北海道 清里」の美味しさを作り出します。 コンセプトへのこだわり 2014年に行われたリブランディングでは、「清里町ならでは」がより伝わるようなコンセプトやデザインに刷新されました。 じゃがいも焼酎「北海道 清里」のボトルデザインには3つの丸のマークが配置されています。 実はこの3つの丸、それぞれに意味があり、清里町の「自然」と「農業」と「人々」を象徴しています。 世界自然遺産・知床にほど近く、美しい斜里岳を望むことができる豊かな自然。 その自然が生み出した水や気候を活かした清里町の農業。 そして何よりも、清里町の温かい人々。 廣谷さんは「仕事しているなかで町の人と関わる機会がありますが、農家さんや酒屋さんなどのお酒に関わる人だけでなく、本当にいろいろな人が温かく応援してくださる」と話します。 50年前の町民の「自慢できる特産品がほしい」という想いを次の世代に繋ぎ続け、今でも進化を続けるじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 「清里町ならでは」をぎゅっと詰め込み、カタチにしたお酒でした。 【直接聞いてきた!】じゃがいも焼酎おすすめの飲み方 「本格焼酎」と聞くと少し癖がありそうでとっつきにくく感じますが、このじゃがいも焼酎はとても飲みやすいんです。 そのまま飲むだけでもとても美味しいのですが、さらに美味しく飲む方法があるそう。 普段からじゃがいも焼酎「北海道 清里」を愛飲する廣谷さんに、おすすめの飲み方を聞いてきました。 ー廣谷さんおすすめの飲み方はありますか? 〈原酒〉はお湯割り、〈樽〉はソーダ割がおすすめです! まずは本来の味わいを知ってもらって、そこからいろいろな楽しみ方を探していただければ嬉しいです。 また、町の若者からは、ジンジャエールで割ったり、紅茶やジャスミンティーで割ったりといった飲み方も聞きますね。 他にも、珍しいところで言うと、「パーシャルショット」という飲み方でもお楽しみいただけます。 アルコール度数の高いお酒を氷点下にして、お猪口でぐいっと飲むのですが、とろみがついてとても美味しいんですよ。 <樽>の貯蔵は圧巻だ。 ーいろいろな楽しみ方ができるんですね!普段はどういった楽しみ方をされているんですか? 私の場合は「原酒」を食中酒として飲むことが多いです。焼酎そのものを楽しみたいときは、味の濃いものや揚げ物などの脂っこいものとの相性がいいですね。 「スタンダード」はより癖が少ないので、幅広い料理に合わせることができます。 それこそ海鮮やじゃがいもサラダなどの素朴な味わいの料理と相性がいいですね。 ー全て美味しそう!北海道の地のものとの組み合わせはそそられますね! 居酒屋さんに提案するときも、じゃがいも料理との組み合わせなどを提案していますね。 揚げ芋を濃い味にして提供すると合いますよ、といった感じで。 ーいろいろ試してみようと思います! ありがとうございました! 「北海道 清里」どこで飲める? ここまでご紹介してきたじゃがいも焼酎「北海道 清里」は、オンラインショップや通販で購入することができます。 通販サイト 楽天やAmazonをはじめとした通販サイトで気軽に購入することができます。 自社出荷「北海道 清里 700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon 自社出荷「北海道 清里〈樽〉700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon 自社出荷「北海道 清里 原酒5年 700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon オンラインショップ 清里焼酎醸造所の公式オンラインショップでも購入することができます。 メジャーな3種類だけでなく、飲み比べなどの様々なサイズを取り扱っています。 最後に 今回ご紹介したじゃがいも焼酎「北海道清里」。 様々な人の想いを持った行動や、その想いに感化された人の応援で、これまで50年もの歴史を作ってきました。 さらには、リブランディングを経て、日本国内だけでなく世界を見据えるようになりました。 世界のスタンダードとしてのじゃがいも焼酎をこれからの50年間で造っていくのでしょう。 北海道清里町ならではがぎゅっと詰まった「北海道 清里」。 ぜひ飲んでみてください。

  • 「受け継いで今後に繋いでいく」北海道・清里町でじゃがいも焼酎を造る廣谷さんの想い

    世界自然遺産知床からほど近く斜里岳が悠然とたたずむ美しい町、北海道・清里町。 ここには、自然豊かな清里町の恵みを最大限活かした焼酎造りを営む「清里焼酎醸造所」があります。 そこで主査として清里焼酎醸造所を統括する廣谷さんは、ある想いを持って焼酎造りに取り組んでいます。 今回は廣谷さんに、綿々と受け継がれてきた焼酎造りにかける想いや、今後の展開についてお話をお伺いします。 清里焼酎醸造所主査・廣谷さん 清里焼酎醸造所1975年に、「清里町産として誇れる特産品が欲しい」という町民の声から、日本で初めてとなるじゃがいも焼酎造りを開始。原材料のほとんどが清里町産であり、製造開始から約50年経つ現在でも、町民の間で広く愛されています。2014年にはリブランディングを行うなど、今後さらに世に広まっていくことが期待されます。 清里焼酎醸造所ご提供写真 詳しくはこちらの記事をご一読ください。▼清里焼酎醸造所・じゃがいも焼酎の記事はこちら!<紹介記事リンク> ご経歴:醸造学科を卒業し焼酎の道へ ー本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単にご経歴をお伺いできますか? よろしくお願いします。 北海道網走市で生まれ育ち、高校時代に「発酵」に興味を持ちました。その後、東京農業大学醸造科学科に進学して微生物について学びました。 大学卒業後にご縁があり、北海道に戻ってきて、この焼酎蔵で働いています。 現在は勤めてから15年が経ち、主査として「焼酎造り」に広く携わっています。 ーなかなか面白いご経歴ですね!なぜ高校時代に「発酵」というニッチな分野に興味を持たれたのでしょうか? 大きく何かきっかけがあったというわけではないのですが、理由の一つに、お酒などの発酵食品に興味があったことが挙げられます。 また、今でいうSDGsのような環境的持続性を考えるなかで、これからの社会において「発酵」は重要で、微生物を使った醸造学が盛り上がるのではないかと思いました。 専攻としては「酒造り」ではなく、微生物を使った「環境改善」がテーマでしたが、当時学んだことは今でも仕事に繋がっています。 ー先見の明がすごいですね!大学で学ばれた後に、就職に際してUターン(地元に帰って働くこと)されたんですね。 高校時代まで北海道で暮らしていて、働くならやっぱり自分の生まれた場所で働きたいという思いがありました。 その当時、この清里醸造所も後継者がいないということで大学の醸造科に募集をかけていまして、そこで私が手を挙げた形です。 当時の所長は、事業を始めた頃から焼酎造りを一身に受け持ってこられた方で、お酒造りの知識や設備が全く何もないところから、設計など醸造を確立されたんです。 話を聞いてみて、「この人の下でなら働いてみたい」と思い、ここで働くことにしました。 清里焼酎醸造所ご提供写真 新しい焼酎のあり方を考える:リブランディングへの取り組み ー焼酎造りに携わって15年、さらに現在は主査という立場で焼酎造りを統括されていらっしゃいますが、具体的にどのようなお仕事をされていらっしゃいますか? あまり大きくない醸造所ということもあり、醸造から販売まで、自分ができることはなんでも手広く携わっていますね。 醸造のシーズンは醸造にかかりっきりになってしまいますが、それ以外のシーズンは展示商談会に出展したり、取引先への挨拶周りも行っています。 ーこれまでの15年間で印象深い取り組みはありましたか? 2012年ごろから、じゃがいも焼酎全体のリブランディングに取り組みました。 新しい焼酎のあり方を考えながら、職場環境の変化もあったので、変化が多く大変な時期でしたね。 <リブランディングとは・カード挿入> 清里焼酎醸造所ご提供写真 ーデザインがとにかくかっこいい!リブランディングに取り組んだ理由や背景は何かあったのでしょうか? 2003年から続いていた本格焼酎ブームの落ち着きによって売り上げが目に見えて落ちていたことと、その施策として商品種類を増やしていたことがあります。 売り上げに対して何か手を打たなければいけないと考えていました。 そのうえ、商品種類が増えれば増えるほど経費がかかってきますし、デザイン的なばらつきも気になっていたので、デザインを変更できないか、個人的に取り組んでいました。 そんなとき、当時江戸川大学の教授だった、ローカルデザインの第一人者である鈴木輝隆氏のご助力をいただくことになり、デザイン事務所と一緒に焼酎全体のリブランディングに取り組むことになりました。 清里焼酎醸造所ご提供写真 ーリブランディングにおいて廣谷さんはどのような関わり方をされたのでしょうか? デザインをするにあたって、私たち清里町がどのようなことを伝えたいのか、また何を軸にするのかということを明確にする必要がありました。 デザイナーの方にも実際に清里町に来ていただいて、清里町の景観をはじめとした街のイメージを掴んでいただき、私たち職員だけでなく一般の町民の方々を巻き込んで、その軸を決めていきました。 新しいロゴやボトルデザイン、コンセプトに至るまで、全てそのとき決めた軸を中心に作られています。 ▼詳しいリブランディングの話はこちらの記事をご一読ください。 <紹介記事へのリンク> 「受け継いで今後に繋いでいく」廣谷さんの想い 50年近く伝統が続くじゃがいも焼酎を、ただ守るだけでなく、より広く伝えるために“攻め”の施策に取り組む廣谷さん。ここからは廣谷さんの想いについてお話をお伺いします。 ー焼酎造りに携わって15年、さらに現在は主査という立場で焼酎造りを統括されていらっしゃいますが、どのような想いでいらっしゃいますか? これまで50年近く、町民に愛されながら綿々と受け継がれてきたじゃがいも焼酎を受け継いで今後に繋いでいくというのが私の使命であると思っています。 ー素敵ですね!そのような想いをお持ちになった理由は何でしょうか? そもそもじゃがいも焼酎ができたきっかけが、町民の「清里町産として誇れる特産品が欲しい」という想いなんです。 そして、そのような町民の想いをじゃがいも焼酎の生みの親である故・長屋氏が何もない状態からカタチにしていきました。 そのような綿々と紡がれた想いを引き継いだからこそ、清里町が存続する限りじゃがいも焼酎を造り続けていきたいと思います。 そして、これまでの担当者がゼロから作り上げた焼酎の造り方や売り方などを含めて今後の世代に繋いでいきたいですね。 世界を見据えて足元を固める ー今後、そのような想いを伝えていくためにどのような人々に届けたいと思いますか? 第一に、焼酎好きの方に「こんな焼酎もあるんだよ」とお知らせしていきたいです。 それに加え、北海道の本格焼酎に馴染みのない人たちがたくさんいるので、「北海道の地酒としてこんなものがあるんだよ」というのを広く知っていただきたいなと思います。 とはいえ、じゃがいも焼酎の認知度自体がまだまだ低い状態です。 じゃがいも焼酎ってこういうものなんだよ、というところから丁寧に伝えていくことが必要だと考えています。 ー2014年には大々的なリブランディングも行われていますよね。リブランディングをされていかがでしたか? 前のデザインだと焼酎好きの方が買っていくイメージが強かったんですけど、デザイン変更後は普段焼酎を飲まない人にも手に取って選んでいただけるというパターンが増えてきましたね。 本格焼酎は「癖が強い」「飲みづらい」というイメージが先行していますが、うちのじゃがいも焼酎は親しみやすく、焼酎を飲みたがらない方にも受けやすい仕上がりにしています。 品質の特徴とパッケージがぐっと近づいたことで、お客さんにも手に取っていただきやすくなりました。 ー僕もパケ買いしてしまいました!(笑)商品メッセージに「焼酎を世界のスタンダードに。」とありますが、世界を見据えていらっしゃるんでしょうか? ありがとうございます!(笑) でも、世界的に見れば焼酎自体はまだまだニッチでこれからの段階です。 ただ、世界中にあるお酒のなかでも、同じジャンルでこれだけ原材料の幅がある蒸留酒は非常に珍しいんです。そのなかでも、微生物や麹を使って造る焼酎は非常に稀だと言われています。 「SAKE」や「ジャパニーズウイスキー」が世界的にも高く評価されていますが、それらの人気に焼酎も続いていきたいですね。 ー世界に広がるじゃがいも焼酎、楽しみです!今日はありがとうございました! 取材の終わりに たくさんの人の想いのバトンが形になったじゃがいも焼酎「北海道・清里」。 ただ伝統を守るだけでなく、今後の未来を見据えて一本一本丁寧に造られていました。 丸みを帯びた優しい味わいで、これまで焼酎に触れてきていない人にもおすすめです。 知床に行ったら絶対に飲んでみてほしい、そんな逸品でした。 <購入リンク挿入>

  • 【日本一面白い】仕掛けだらけの水族館・北の大地の水族館

    ハッカとカーリングの街・北海道北見市。オホーツク海から大雪山まで伸びる、東西で100kmほどの距離がある北海道一大きい自治体です。 その北見市内留辺蘂(るべしべ)町というオホーツク海から約70kmほどの内陸部に「北の大地の水族館(山の水族館)」があります。 この北の大地の水族館、一周の所要時間が約20分ほどの小さな水族館ですが、ここならではの尖った展示や仕掛けで日本全国にファンがいます。 今回は、そんな北の大地の水族館をご紹介します。 実際に取材に行ったからこそわかる生の情報が詰まっています。 ぜひ最後までご一読ください。 北の大地の水族館とは? 北の大地の水族館・ご提供写真 北の大地の水族館は、1978年に「山の水族館・郷土館」として開業しました。 開業当時、山の水族館の横を通る国道39号線は、札幌から旭川や層雲峡を抜けて北見、網走に抜ける観光の主要国道で、それに伴い温根湯温泉エリア全体が栄えていました。 その頃、網走には「オホーツク水族館」という水族館があり、当時の町長の「網走に海の展示があるのだから、川沿いに山の中の水族館があってもいいじゃないか」という発想で開業することになりました。 海から離れていたこともあり、海水を取水することが難しく、川魚のみの展示でスタートしました。 水族館プロデューサー・中村元氏がリニューアルを手がける たくさんの地元の人たちや観光客から愛された旧山の水族館ですが、開業から30年以上経ち、施設の老朽化が目立ったため、2012年にリニューアルすることになりました。 そのリニューアルに大きく関わったのが日本で唯一の水族館プロデューサーである中村元氏。 中村氏は鳥羽水族館や新江ノ島水族館、サンシャイン水族館などのさまざまな水族館のリニューアルに携わってきました。 中村氏の手法として「水塊 (すいかい)」と呼ばれる、まるで水中にいるかのような感覚と「行動展示」という、ただ生き物を見せるのではなく生態に即して動く姿を見せる二つの手法があります。 この北の大地の水族館でもその二つの手法を随所に見ることができます。 館長の想い「とにかく水族館を楽しんでほしい」 北の大地の水族館・山内館長 リニューアル時からさまざまな展示や企画に携わってきた山内館長は、「とにかく水族館を楽しんでほしい」という想いから、展示の見せ方やお客さんとの接し方など、全てにおいて「ゲストを楽しませる」という軸を大切にされています。 ▼詳しい山内さんの想いを伺った記事はこちら! https://spark-pjt.com/onneyu-aq-interview/ ここにしかない!?北の大地の水族館ならではの展示 ここからは、中村氏や山内館長をはじめとするたくさんの人々が作り上げた、北の大地の水族館ならではの展示についてご紹介します。 北の大地の水族館が位置する北海道・道東の大自然、そして、温根湯温泉エリアの魅力である「豊かな自然環境」「厳しい自然」「豊富な温泉」をダイレクトに感じることができる展示がたくさんあります。 【まるで水中世界】滝つぼ水槽 引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/2980134 北の大地の水族館に入ると、はじめに滝つぼ水槽が目に入ります。 ここでは、まるで滝つぼを水中から見上げているような浮遊感を感じることができます。 実はこの滝つぼ水槽ですが、水中感や浮遊感を楽しんでもらうために、さまざまなこだわりが隠されているんです。 その一つが「あえて滝を見せないこと」です。 滝つぼ水槽は、実際の滝と同じように水を高さをつけて落とすことで作られています。 また、水中の循環ポンプで水中から水上に向けて噴き上げるように泡を作ることで、より自然な水中感や浮遊感を感じることができます。 ただ、「滝を見る」のではなく「水中世界を感じてほしい」という想いから、あえて滝の部分は見せないようにしているそうです。 また、もう一つのこだわりが「生態に合った展示方法」です。 滝つぼ水槽で展示されている可愛らしい淡水魚・オショロコマ。 彼らは実際に川の上流に生息しており、滝つぼの縁に多く見られるそうです。 この水族館でも、その姿を再現するために滝から餌を落として水槽の上部に誘導するなど、オショロコマの自然の姿を見ることができるよう、こだわりが隠されています。 【冬は水面が凍る!?】四季の水槽 一つ目の水槽を抜けると見えてくるのが「四季の水槽」。 この水槽は実際に外と繋がっていて、春夏秋冬と毎シーズンごとの北海道の川の水中世界を再現しています。 取材に伺った初夏はエゾウグイが気持ちよさそうに泳いでいましたが、秋口にかけてヤマメや鮭、カラフトマスなど、そのシーズンに合った魚が展示されるので、どの季節に行っても楽しむことができます。 特に目を引くのが「冬の四季の水槽」。 北の大地の水族館・提供写真 外気に触れているので、冬の寒い時期にはこの水槽の表面が凍ります。 旧山の水族館時代には、冬は閉館していましたが、リニューアルに伴い冬も営業を行うことになりました。 北海道の冬は寒さが厳しく、なかなか来館客を引き付けることが難しいと予想されました。 そこで、その寒さを逆手にとって「寒いからこそ見える景色」でお客さんを呼び込もうとしてできたのが四季の水槽。 北の大地の水族館・提供写真 冬の時期の水槽の掃除は、氷の表面に穴を開けて潜水して行います。 一年に2回しか見ることができない冬の掃除のシーン、見逃せませんね。 【日本最大級の淡水魚】イトウの展示 日本最大級の淡水魚である「イトウ」の展示は大迫力。 北の大地の水族館では、イトウの展示に力を入れていて、大きく育ったイトウだけでなく、卵や稚魚も展示しています。 ここまで大きく育つことができるのは、その生息地が栄養豊富だということの証拠。 つまり、北海道の豊かな土壌をイトウの姿から見て取ることができます。 実は昔、イトウは全道的に生息していましたが、現在はその生息域がどんどん縮小しています。 山内館長は「イトウってすごい大きな魚なんだね!すごいね!と感じてもらうことで、自然界での実際のアクションをする人が一人でも増えればいい」と話します。 さらに、山内館長は「イトウは北海道の川や湖においてのアンブレラ種です」と続けます。 「アンブレラ種であるイトウを守ることが、北海道の豊かな河川・湖の環境を守ることにつながります。展示をきっかけにイトウに興味を持ってくれたら嬉しいです。」 ▼アンブレラ種とは地域の生態ピラミッドの頂点にある生き物で、アンブレラ種が生育できる環境を保護することで、その傘下にあるほかの種の生育までをも保全することができ、広い面積にわたる生物の多様性が保たれることになるという保全上の戦略的な考え方。 北海道の豊かな自然に思いを馳せながら、水の中をゆったり泳ぐイトウをぜひ一度見に来てください。 【温泉水で育てた熱帯魚】世界の熱帯魚コーナー 最後にご紹介するのは「世界の熱帯魚コーナー」。 ここで展示されている熱帯魚は、水族館のある温根湯温泉の温泉水で育てられます。 旧山の水族館時代に、冬の閉館時に温泉水で飼育したところ、魚の傷の治りが早かったり、生育が少し早かったことから、温泉水が利用されるようになったそうです。 来館客を楽しませるたくさんの仕掛けへのこだわり 北の大地の水族館では、「お客さんを楽しませる」さまざまな仕掛けへのこだわりが散りばめられています。 数えきれないほどある仕掛けですが、ここでは3つご紹介します。 独創性あふれる手作りのPOP 北の大地の水族館では、各展示の周りに独創性あふれる手作りのポップが所狭しと貼られています。 ニジマスとのLINEのトーク画面やプロフィール帳を模した「うおふぃーる帳」など、刺さる人にはとことん刺さるPOPを楽しむことができます。 館長が出てくるボタン Twitterで一躍有名になったのがこの「館長が出てくるボタン」。 少しでも館内でのコミュニケーションを増やしたい、との想いで2020年の夏に山内館長がスタートしたこの仕掛け。 ボタンを押すと山内館長が出てきて会話をすることができます。 このボタンを設置した詳しい想いや背景については、ぜひインタビュー記事をご覧ください。 https://spark-pjt.com/onneyu-aq-interview/ いただきますライブ イトウの水槽で行われる「いただきますライブ」。 自然では当たり前のように行われているものの、普段は目にすることができない生の「捕食」を目の当たりにすることができます。 ※現在一時的に開催が休止されています。詳しくはHPをご確認ください。 【施設情報】料金・アクセス 施設名北の大地の水族館(山の水族館)公式サイトhttps://onneyu-aq.com/営業情報(営業時間)8:30~17:00 (4月~10月) 9:00~16:30 (11月~3月) 料金一般:670円中学生:440円 小学生:300円支払い方法現金のみアクセス〒091-0153 北海道北見市留辺蘂(るべしべ)町松山1-4車で行く場合(北見市街から) 国道39号線で約40分(旭川市街から) 国道39号線で約2時間30分公共交通機関を使う場合(電車) JR留辺蘂駅から道の駅おんねゆ温泉行きバス約20分。終点下車後徒歩2分。(バス) バスの時刻表は公式HPより駐車場情報あり(無料)普通車37台/身障者用2台

  • 「水中世界を楽しんでほしい」北の大地の水族館館長・山内創さんの想い

    北海道北見市から車で1時間ほどの場所にある「北の大地の水族館(山の水族館)」。 ここは他の水族館とは一味違う、館内には来館者を楽しませる仕掛けだらけの「徹底的にふざける」水族館。 その背景には、2012年のリニューアル当初から中心にいる山内さんの姿があります。 今回は山内館長に、北の大地の水族館にかける想いや、さまざまな仕掛けの裏側についてお話をお伺いします。 北の大地の水族館館長・山内創さん 北の大地の水族館1978年に開業。2012年には水族館プロデューサーである中村元氏が手がけ、リニューアルオープン。「滝つぼ水槽」を代表とする目を引く水槽や独自性のある展示など、来館者を楽しませる仕掛けが各所に散りばめられています。 ご経歴:移住して水族館の館長に ー本日はよろしくお願いします。まず簡単にご経歴のご説明をお伺いできますか? よろしくお願いします! 愛知県で生まれ、小さい頃から魚をはじめとする生き物が大好きでした。 自分で生き物を育てていた経験から、いつか水族館の飼育員になりたいと思っていました。 大学では海洋系の学部に所属し、その後にここ、北の大地の水族館にて採用され、小さい頃からの夢を叶えることができました。 ー縁もゆかりもない北海道に移住ですか!不安はありませんでしたか? 当時は「どこでもいいから水族館で働きたい」という思いの方が強かったです。 むしろ小さい頃からの夢を叶えられるということで高揚感もありました。 働き始めてからスタッフやお客さんなど、いろいろな人と関わることで、よりこの水族館のことが好きになりましたね。 今は館長として、普段の水族館の運営からさまざまな企画まで携わっています。 「とにかく水族館を楽しんでほしい」 2012年のリニューアル当初より水族館の運営に携わってきた山内さん。水族館での勤務を通して、館長になった現在まで、ある想いを大切にしていると言います。 すごくシンプルですが「とにかく水族館を楽しんでほしい」という想いで普段お客様と接しています。 「どうやったら楽しんでもらえるか」、それだけを考えて館内での仕掛けやさまざまな活動に取り組んでいます。 ーその想いを抱くようになったきっかけは何かあったのでしょうか? 実際に水族館で働いた経験が大きいです。 それこそ学生時代は「水族館は生物を見せる場所であって、生き物のことを正しく伝えることが重要」だと考えていました。 でも働き始めてから、お客さんがすごく楽しんでくれている姿を見る機会がたくさんありました。 そのときに「水族館は訪れる人にとって、ただいるだけでも楽しい場所なんだ!」と気付きました。 私自身は魚がすごく好きで、魚を見ているだけで楽しいんです。 でも、一般の人がそうでないことは、知識として知っていても実感はなかったんですね。 実際に働き始めて、老若男女いろいろなお客さんの姿を見て、「別に魚を好きじゃなくても楽しんでくれているんだ!」というのをちゃんと感じることができました。 だからこそ、魚が好きではない人にも楽しんでもらえるような、親しみやすい水族館を目指しています。 ーそうなんですね。それでいうと館内のさまざまな仕掛けでは「楽しませてやる」という気持ちをひしひしと感じます。(笑) 結局、水族館が楽しくないと魚のことを知ろうと思ってもらえないんですよね。 ポップなどの仕掛けを通して「楽しかったね!また来たいね!」と思わせることで、魚を好きになってもらう第一歩になるんじゃないかと思います。 そして「あの水族館楽しかったね」の思い出の中に一つでも、「そういえばさ、あの魚って〇〇らしいよ。」といった会話があれば嬉しいです。 普段は「どうやったらお客さんに楽しんでもらえるか」ばっかり考えていますし、だからこそ、LINE風の紹介やプロフィール帳を模した展示などを作って、楽しんでもらえるように心掛けています。 「全力でふざける」さまざまな仕掛け 山内さんが館長を務める「北の大地の水族館(山の水族館)」には、「とにかく水中世界を楽しんでほしい」という想いをカタチにしたさまざまな仕掛けがあります。 その仕掛けについて「全力でふざけることが大事」と話す山内館長。 最大公約数を狙うのではなく、刺さる人にとことん刺さるように作られているんです。 だからこそ、北の大地の水族館では他の水族館では見ることができない珍しい仕掛けを楽しむことができます。 その一つが「館長が出てくるボタン」。 ーTwitterでもバズっていた「館長が出てくるボタン」。なぜ始められたのでしょうか? さまざまな狙いはありますが、最初はとにかく暇で作りました(笑) このボタンは2020年の7月に設置したのですが、当時は緊急事態宣言による休館や、開館していてもお客さんが来ない状態が続きました。 やっぱりお客さんに楽しんでもらうことが自分の楽しみなので、お客さんが来ないと寂しくてかまってほしくて、勝手に設置してしまいました。(笑) 設置当時は面白がってもらえるかな、とは思っていましたが、まさかこんなにバズるとは思っていませんでした。 ーちなみにどのような狙いがあったのでしょうか? 館内でのコミュニケーションを増やすことが狙いでした。 当館は小さな水族館で20〜30分で一周してしまうんです。 でも、小さい水族館の中でお客さんとのコミュニケーションを増やすことで、滞在時間も増えて満足度も高くなる。 そしてさらに、私たちが伝えたいことを伝えやすくなると考えました。 ー結構押されるお客さんは多いんですか? 正直なところあまりいません。月に10回ほどです。 押してくれるお客さんも、「これを聞きたい!」という内容があるというよりも、この発想を面白がってボタンを押してくれる方ばかりですね。 「面白かった展示は?」「好きな魚は?」など、私から質問することもあります。 とにかく水族館を楽しんでもらうきっかけになっていたら嬉しいです。 北見市民に愛着を持ってもらえる水族館をめざす 山内さんの「楽しませたい」という想いはとどまるところを知らない。 今後の展望を話していただきました。 ー今後、その想いをどのような人に届けていきたいといった展望はお持ちですか? 水族館の足元である北見市の人たちに「地元の水族館」という意識を持ってほしいです。 北見市は10数年前に一市三町が合併してできた道内で一番広い自治体なんです。 端から端まで100kmもあるほど広く、しかも水族館はその端に位置します。 北見市内には、北の大地の水族館が北見市の施設だと認識していない人がたくさんいます。 それってすごくもったいないし、寂しいですよね。 今はとにかく北見市の市民に「まちの水族館」だと感じてほしいです。 きっと観光客も、地元の人が楽しいよって言ってるところに行きたいのではないかと思います。 ー素敵ですね!今後北見市の人たちに対して何か新しい仕掛けは考えられていらっしゃいますか? 今年でリニューアルオープンから10年を迎えますが、その10周年記念事業として「出前水族館」を開催します。 とても広い北見市、その中の一つ一つの自治体をまわって、一日水族館をお楽しみいただきます。 移動式だからこそ楽しんでいただけるような、さまざまなコンテンツを用意しています。 ▼出前水族館について詳細はこちら!https://www.city.kitami.lg.jp/administration/news/detail.php?news=854 他には、より親しみやすい水族館になるためにガイドツアーができたらいいなと考えています。 ぜひそのツアーの中でも全力でふざけて楽しませていきたいですね。 ー山内さんの「全力でふざける」。今後も楽しみにしています!今日はありがとうございました。 取材の終わりに 今回訪れた「北の大地の水族館」。 小さいながらもその密度は今まで体感したことのないほどで、「楽しんでほしい」をピュアに突き詰めた、山内さんをはじめとする飼育員の方々の努力を垣間見ることができました。 今回の取材で2回目の来訪。きっと3回目のタイミングは思ってるよりも早く来るのだろう。 ぜひ道東に行くときは一度訪れてみてください。

  • 琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持つ木造帆船サバニを体感できる「HENTONA SABANI」

    穏やかな空気が広がる沖縄本島北部に位置する大宜味村。耳をすませば、水の音と鳥の鳴き声が聞こえてきます。 いつもの観光とはちょっと違う、沖縄ならではの体験を求めている方におすすめなのが、ここ「HENTONA SABANI」。 HENTONA SABANIでは琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持つ「木造帆船サバニ」を体験することができます。 当記事では体験の概要のご紹介から、実際に体験したHENTONA SABANIの魅力をお伝えいたします。 「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」 ツアーガイドを担当してくれるのは船長の邊土名 徹平(へんとな てっぺい)さん。 邊土名さんは「木造帆船サバニの魅力をより広い世界、より遠い世代へ伝えていく」ために2020年にHENTONA SABANIを立ち上げました。自身がサバニをきっかけに幸せに出会った経験から想いに至ったそうです。 HENTONA SABANIではサバニ大工として造船を行うとともに、帆かけサバニツアーも催行されています。 そんな邊土名さん、「一度サバニに乗れば絶対に魅力を感じてもらえる」と熱く語ります。そこでここからは邊土名さんに伺った木造帆船サバニの魅力やHENTONA SABANIで体験できるツアーについてご紹介いたします。 ▼邊土名さんの想いを伺った記事はこちら! https://spark-pjt.com/post-528/ 木造帆船サバニとは?そしてその3つの特徴的な魅力 今回の記事の主役である「木造帆船サバニ」。 そもそもサバニとは何なのでしょうか?また邊土名さんが伝える木造帆船サバニの魅力はどこにあるのでしょうか? ここでは簡単に木造帆船サバニの概要と魅力について解説します。 実用的に活躍してきたサバニ 木造帆船サバニとは沖縄や周辺の島々で古くから使われてきた、エーク(櫂・パドル)と帆で進む木造帆船です。 一本の木をくり抜いて造る丸木舟をルーツとして持ち、複数の木材をはぎ合わせて造られます。 現代の形になったのは1800年代後半と言われていて、1950年代以降にエンジンやFRPが登場するまで漁や物資の運搬、移動手段としてなど実用的に活躍していました。 木造帆船サバニの3つの大きな魅力 代表的な魅力は3つあります。 人工物でありながら自然に溶け込んでいる点エーク(櫂・パドル)と帆、2つの動力で進む楽しさ沖縄ならではを体感できる点 それでは、それぞれ解説していきます。 人工物でありながら自然に溶け込んでいる点 海にぽつんと浮かぶサバニ。人の手が入った人工物のはずですが、どこか自然に溶け込んでいるような佇まい。 実は全て自然素材で作られています。 ボディを形作る木材はもちろんのこと、木材同士をつなぎ合わせるフンドウと呼ばれるパーツも木製で、打込む釘は竹製です。また船のコーティングにも、自然由来の材料が用いられています。 すべて地球に還る素材で作られているからこそ、自然に溶け込んだ美しさがあります。 エーク(櫂・パドル)と帆、2つの動力で進む楽しさ 木造帆船サバニの動力は2つ。エーク(櫂・パドル)を使って漕ぐ力と、帆を操り風を受けて進む力。 片方ではなく両方の動力があるからこそ、凪のときでも進んでいくことができます。 船上で聞こえるのは周りの自然の音のみ。まるで船ごと自然に溶け込んだかのような感覚を楽しむことができます。 沖縄ならではを体感できる点 琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持ち、沖縄や周辺の島々で古くから使われてきたサバニ。 沖縄には様々な観光資源がありますが、その中でも沖縄でしか体感できない、この島ならではの魅力を求めている方にサバニはうってつけです。 HENTONA SABANIでは、そんな魅力いっぱいの木造帆船サバニに、実際に乗って楽しむことができるんです! HENTONA SABANIでできること HENTONA SABANIでは2種類のアクティビティを提供しています。 帆かけサバニ スノーケルツアー帆かけサバニ クルーズツアー それぞれの詳細と魅力をご紹介します! 帆かけサバニ スノーケルツアー こんな人におすすめ! 船の上も海の中もどちらも存分に楽しみたい方 ツアーの詳細 ツアー料金大人(13歳以上)9,000円(税込)小人(12歳以下)5,000円(税込)料金に含まれるもの・保険料・スノーケル3点セット(マスク、スノーケル、フィン)・ライフジャケット・ウェットスーツツアーのスケジュール・詳細はじめに足の着く場所でスノーケルのレクチャー。初心者でも安心です。サバニに乗ってスノーケリングポイントまで一回目のクルーズ!ポイントに到着してサバニから海へダイブすると、日常では見ることができない、美しい海中世界が待っています。海中をめいっぱい楽しんだ後は、サバニに戻って陸まで二回目のクルーズ!支払い方法現金のみ体験時間2時間所要時間3時間準備していくもの(必須)・水着(服の中に着てお越しください)・濡れても良い履き物(マリンシューズ推奨)・タオル・着替え準備していくもの(あれば便利)・帽子・飲み物 帆かけサバニ クルーズツアー こんな人におすすめ! 泳ぎは苦手だけど沖縄の海を楽しみたい方 小さなお子様がいらっしゃる御家族 ツアーの詳細 ツアー料金大人(13歳以上)6,000円(税込)小人(12歳以下)3,000円(税込)料金に含まれるもの・保険料・ライフジャケットツアーのスケジュール・詳細サバニに乗船して国立公園にも指定されている、美しい塩屋湾のクルーズに出かけよう!ゆったり楽しむも良し。邊土名さんと一緒にエークで漕ぎまくるも良し!支払い方法現金のみ体験時間1時間30分所要時間2時間準備していくもの(必須)・濡れても良い履き物(マリンシューズ推奨)・タオル・着替え準備していくもの(あれば便利)・帽子・飲み物 アクセス 集合場所スノーケルの場合道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンター〒905-1318 沖縄県国頭郡大宜味村津波95クルーズの場合HENTONA SABANI〒905-1319 沖縄県国頭郡大宜味村宮城365−3車で行く場合(那覇空港から)・沖縄自動車道と国道58号線(約1時間30分)・国道58号線を北上(約2時間)公共交通機関を使う場合(那覇空港から)バスで約2時間30分駐車場情報駐車場あり 体験したからわかった!帆かけサバニツアーの5つの魅力! 取材に伺ったところ、ご厚意でクルーズツアーを体験させていただくことができました。 実際に体験したからこそわかった、5つの魅力をご紹介します。 自然動力なので静かでゆったりとした時間を楽しめる水面近くで風を感じながら進む爽快感転覆する気がしない!アウトリガーで超安定美しいフィールドを堪能する贅沢!船大工でもある邊土名さんの解説 それでは、それぞれ解説していきます。 【魅力1】自然動力なので静かでゆったりとした時間を楽しめる 帆かけサバニに乗船しているときに海上で聞こえるのは船が水をきる音と、風の音、そして周りの自然の音です。 それも帆かけサバニの動力が、エンジンではなく人力と風だからこその魅力です。 またHENTONA SABANIのフィールドである塩屋湾は内海となっており、穏やかな空気が流れます。 ぜひサバニを現代までつないできた人々に想いを馳せてみてください。 【魅力2】水面近くで風を感じながら進む爽快感 音が静かでゆったりしている帆かけサバニ、一方で風をしっかりと掴めばスピードを楽しむこともできます。 自然動力であっても、上級者が操れば、海況によっては20km/hほどで走るポテンシャルがあるという帆かけサバニ。 ぜひ水中に手や足を入れて体感してみてください。 【魅力3】転覆する気がしない!アウトリガーで超安定 HENTONA SABANIの体験で乗船する帆かけサバニには、お客様の安全が第一という考えのもと、船の安定性を高める役割を持つアウトリガーが取り付けられています。 このアウトリガーがあることで、転覆の恐れが少なくなります。 実際に乗船してみましたが、非常に安定しており、老若男女問わず帆かけサバニを楽しむことができます。 【魅力4】美しいフィールドを堪能する贅沢! HENOTNA SABANIのフィールドである塩屋湾、ここはやんばる国立公園に指定されています。また2021年には日本で5例目となる世界自然遺産の一部として、沖縄島北部が登録されるなど、周辺に豊かな自然が残されています。 HENTONA SABANIではそんな美しいフィールドを堪能することができます。 【魅力5】船大工でもある邊土名さんの解説 邊土名さんはツアーの船長だけでなく、サバニを作る船大工としても活動しています。 HENTONA SABANIでは、日本に数人しかいない現役サバニ大工から直接話を聞くことができます。 船をどのように造っているのか、サバニの詳しい歴史、意外なサバニの知識など、ツアーの時間があっという間になること間違いなしです。 さいごに 今回は沖縄県大宜味村の「HENTONA SABANI」をご紹介いたしました。 国立公園に指定されるほど豊かで穏やかな自然フィールドで、琉球王朝時代から綿々と受け継がれてきた沖縄独自の文化に触れることができる貴重な場所。 ガイドブックには載っていない、よりディープな体験が大宜味村にありました。

  • 「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」HENTONA SABANI代表・邊土名徹平氏インタビュー

    静かで穏やかな空気が広がる沖縄県大宜味村。 ここには想いを持って活動する、木造帆船サバニの船大工・邊土名徹平(へんとなてっぺい)さんがいます。 様々な経験をした後に石垣島にてサバニの魅力に出会い、未経験から船大工になり、帆かけサバニツアーを催行するなど、様々な活動に精力的に取り組んでいます。 今回はそんな邊土名さんにサバニにかける想いや、その想いに至った理由について話を聞いてきました。 木造帆船サバニを体験できるツアー ー本日はよろしくお願いします。まずはサバニについて知らない人もいると思うので、簡単にサバニについてご紹介いただけますか? (邊土名さん) よろしくお願いします。 木造帆船サバニとは沖縄や周辺の島々で古くから漁や物資の運搬、移動手段などに使われてきた船です。エーク(櫂)による漕ぐ力と、帆を操作して受ける風の力で進みます。 造船工程で、複数の木材をはぎ合わせる際、金属の釘などを使わずに、木製のチギリ「フンドウ」や、竹製の釘を用いることも特徴です。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ー海に浮かぶ木造帆船、沖縄の青い海と空にぴったりで美しいですね!邊土名さんは具体的にどのような活動をされているのでしょうか? (邊土名さん) HENTONA SABANIを立ち上げ、サバニを造る船大工としての活動と、帆かけサバニツアーでの船長兼ガイドとしての活動に取り組んでいます。 ツアーでは老若男女問わず、サバニの魅力を感じていただいていて、とても嬉しいです。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーHPにてお写真を拝見しましたが、参加者の方がとにかく楽しそうにしていますよね!僕もHPの写真を見てこれは魅力的なアクティビティだな!と確信して今回ご連絡させていただきました。 邊土名さんの想い「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」 ー早速ですが、邊土名さんの簡単な経歴や、どのようにしてサバニに出会ったかについてお話をお伺いしてもよろしいですか? (邊土名さん) 沖縄で生まれ育ち、22歳でホテル企業に就職してから、転勤などで日本全国を転々としたのですが、その頃から「なにか沖縄に貢献できる仕事がしたい」という想いが芽生えるようになりました。 そんな中、沖縄は観光立県であるにも関わらず、外国人観光客に対するおもてなしに課題があるのではと感じていた為、”語学力を向上させること、異文化を深く知ること”などを目的に、国外に身を投じることを決め、30歳でホテルを退職後、カナダに移住し一年間を過ごしました。 帰国後、石垣島の旅行会社で働くことになり、八重山諸島の新しい観光素材を発掘する仕事に携わっていたのですが、その仕事の中で石垣島の吉田サバニ造船という場所へ伺ったんです。 そこで海に浮かぶサバニを見て「なんて美しいんだろう」「サバニに一生をかけて携わりたい」と直感的に感じました。 それから一年以上月日が経ったある時期に、「自分が心の底からやりたいことはなんだろう」と自問自答する機会があり、その時に頭に浮かんだのがサバニでした。 そこで旅行会社を退職後、サバニの魅力を知るきっかけとなった、吉田サバニ造船の吉田友厚さんに弟子入りさせていただくことになりました。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーなるほど。サバニとは運命的な出会いをしたんですね!サバニの造船については未経験だったと思うのですが、なぜ弟子入りの決断をされたのでしょうか? (邊土名さん) 理由は2つあります。 1つ目は「自らの手で風を操って船を走らせるという魅力に心の底から惹かれたこと」。 2つ目は「サバニが以前、途絶えかけたという経緯を知って、造船、操船技術を習得し、次の世代につなげたい」と考えるようになったからです。 サバニは、琉球王朝時代の「一本の木をくり抜いて造る丸木舟」をルーツに持ち、その後「複数の木材をはぎ合わせる工法の船」になり、長年引き継がれてきました。 しかし、1950年代以降、エンジンの普及が進み、船の素材としてFRP(繊維強化プラスチック)が主流になったことで、次第に木造帆船のサバニは造られなくなっていきました。 その後、2000年代に入って多くの方々の尽力により、レースやアクティビティなど新たな活躍の場を与えられたことで、木造帆船サバニの魅力が見直されはじめ、今日に至ります。 このような経緯を知ったことで、「この素晴らしい文化を今後も途絶えさせてはいけない。私も次の世代につなぐ一役を担いたい。」という気持ちが強まっていきました。 長年模索し続けてきた「なにか沖縄に貢献できる仕事がしたい」という想い。 その”なにか”とは、自分にとってサバニの魅力を伝えていくことなんだと感じたことがサバニ大工への弟子入りを決心させました。 ーサバニの魅力を伝えていく、とても素敵ですね!強い想いを持って活動なさっていますがその原動力を聞かせてもらえますか? サバニの魅力に惚れ込み、「造船と操船を学んで、次の世代へ引き継ぐ担い手となりたい」という気持ちを持ってはじめた修行でしたが、その後、自分自身がサバニとの出会い、サバニを通した出会いで幸せになったことをきっかけに、サバニが幸せを運ぶ船だと確信するようになりました。 サバニ大工の修行中に最愛の妻と出会うこともできましたし、今は生まれたばかりの息子もいて、本当に心から幸せなんです。 その他にもサバニを通して、お金では得られない幸福、自然と共生することの大切さなど多くを学び、さらには自分のルーツを深く知るきっかけともなりました。現在はそのルーツとなる大宜味村へ移住して、自然に囲まれた、心の豊かな生活を送っています。 そんな自分自身の経験や、サバニに関わる周りの方々が幸せになっていく様子を見て、たくさんの人にサバニを通して得られる幸せを感じてほしい。と考えるようになりました。そこから生まれた想いが「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」です。 HENTONA SABANI様ご提供写真 これまでのキャリアを活かして様々な手段でサバニの魅力を届ける ーここまで熱い想いについてお話をお伺いしました。現在はサバニの魅力を伝えるためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。 (邊土名さん) 活動内容としてお伝えした通り、サバニ大工として造船を行いながら、ツアーの船長兼ガイドとして広く楽しんでもらえるようなアクティビティを実施するということがメインですが、 サバニを知ってもらうきっかけとして、インターネットの活用や、オリジナルグッズの販売なども行っています。 HENTONA SABANI様ご提供写真 私は、一度サバニに乗れば絶対に魅力を感じてもらえると強く思っています。一方でサバニの存在自体が十分に知られていないのが現状なので、様々な方法での周知活動を今後さらに強化していく予定です。 ーSNSの写真は本当に楽しそうですよね!これまで様々なキャリアを積まれてきた邊土名さんだからこそ、いい意味で手段を選ばずにサバニの魅力を伝えられてるんですね。 (邊土名さん) 長年に渡りサバニ普及の活動を続けてくださっている先輩方には本当に感謝しており、とても尊敬しています。 その上で、前例にとらわれない取り組みや、時代に合った取り組み、若者向けの取り組みなどを行っていくことも自分の存在意義なのではと考えています。 例えばHENTONA SABANIのグッズを販売している中で「かっこいい、かわいい」と言って身に着けてくださる方がたくさんいらっしゃるだけですごく幸せなのですが、「そこに書いてあるサバニって何?」などの会話からサバニの存在を知ってもらえることもあるようで、とても嬉しく思っています。 そんな小さなやりとりの積み重ねも、サバニファンが増えていくきっかけのひとつとして大切にしていきたいです。 今後突拍子もない取り組みを始めることもあるかもしれませんが、それはあくまで入口であって、全ては「サバニの魅力を伝えていく」という自身で掲げた目標に繋がっているとの考えがあります。 「サバニが過去の栄光として語られるのではなく、現役で活躍し、未来永劫愛され続けてほしい。」 ー2020年に開業されて、3期目に入られたHENTONA SABANIですが、今年はどのような年にされますか?また今後はどのように考えていますか? (邊土名さん) 今年はありがたいことに造船の注文をいただいており、自身の船も含め、年末までひたすらサバニを造り続けていると思います。 ツアーについては、今後も外的要因による影響は続くかと思いますが、そのことに一喜一憂するのではなく、自分自身が現在取り組めること、取り組むべきことにフォーカスして、来てくださるお客様に心から楽しんでもらえるよう、おもてなししていきたいと思います。 また、新たな形での情報発信も手がけていく予定です。 長期の計画としては、スペシャルツアーの催行や、地域のこどもたちとの活動、長距離航海など。他にもたくさんの構想があります。準備が整い次第、順次実行していきたいと思っています。 大きな目標を達成していくには長い年月が必要だと思いますが、私は「一生をかけてサバニに携わる」と、熱意と覚悟を持って決めています。 まだまだ駆け出しの身ですが、これからもサバニを造り続け、サバニに乗り続け、自身の技術を高めていくべく、目の前のことに真摯に取り組んでいきたいと思います。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーお話をお伺いして、僕自身も邊土名さんを通してサバニの魅力が伝わらないわけがないと感じています!今日はありがとうございました。 (邊土名さん) こちらこそありがとうございました! サバニが、過去の栄光として語られるのではなく、現役で活躍し、未来永劫愛され続けてほしいという願いを込めながら、今後も活動を続けていきます。 さいごに 邊土名さんは物腰柔らかだが、内に秘めたる燃える何かを言葉の端々に感じた。邊土名さんの未経験ながらも職人に飛び込む熱意と覚悟。そして一度決めたことを曲げずにやりきる姿勢。 HENTONA SABANIを通してサバニの魅力が世界中に、そしてより遠い世代へ綿々と受け継がれていくと確信した。

  • 葉山・一色ならではのライフスタイルに出会う「一色BOAT」

    海や山などの自然がに囲まれた「葉山・一色」。都心からのアクセスもよく京浜急行から「女子旅きっぷ」が販売されるなど、日帰り旅行先として人気を増しています。普通に遊びに行くだけとはちょっと違う、ここ葉山・一色ならではを体感したい方におすすめなのが「一色BOAT」です。 一色BOATは、「葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス」です。ここでは、まるで葉山に住んでいる友達の家に遊びに行くような、生活に溶け込んだ体験を手ぶらで楽しむことができます。 一色BOATで体感できる「葉山一色のライフスタイル」とは? 葉山一色のライフスタイルとはどのようなものでしょうか?それは一言でまとめると「自然と生活が溶け込んだようなライフスタイル」です。 葉山は海と山に囲まれており自然豊かな土地です。また御用邸があるなど、高級別荘地としても有名でとても静かな場所です。そんな葉山に昔から住んでいる、一色BOAT代表の齋藤さんは葉山ならではのライフスタイルについて次のように話します。 齋藤さん「朝起きたらコーヒーを淹れて、そのコーヒーを持って海岸に散歩に行く。朝に海の様子を確認して、帰って仕事をしつつ肩が凝ったら休憩がわりに海に入りに行く。それができるのが葉山一色です。」 一色BOATロゴと齋藤さん アウトドアメーカーとして有名な「patagonia」がサーフィンにうってつけの、西海岸ならではのライフスタイルが元になっているのと同じように、「一色BOAT」は自然が生活に息づいた、葉山一色ならではのライフスタイルが根っこにあるんですね。 ▼齋藤さんへのインタビュー記事はこちらhttps://spark-pjt.com/isshiki-boat-saitosan/ そんな葉山一色ならではのライフスタイルを体感できる一色ボートについてご紹介いたします。 一色発ブランド!一色BOATできること 一色BOATは、一色のライフスタイルに欠かせないマリンアクティビティのレンタルを行う海の拠点。一色BASEはカフェとラウンジが併設されている陸の拠点。ここではローカルと交流することもできます。 この海と陸の拠点をフル活用することで、手ぶらで葉山一色を楽しみ尽くすことができます。ここからはそれぞれの拠点で体験できる具体的な内容についてご紹介いたします! 一色BOATでできること 一色海岸内ボート小屋 一色BOATでは多くのマリンギアのレンタルを行っています。ボートやSUPボード、サーフボード、釣り道具などをレンタルして、さまざまな方法で一色の海を楽しむことができます。 レンタルできるボートにはロゴの目印。 ボートをレンタルしてシュノーケリングや釣りを楽しむ。SUPボードをレンタルしてゆったりした海上散歩から、ちょっと離れた離島までクルージングなどなど。その楽しみ方は組み合わせ次第でたくさん膨らみます。 また、レンタルだけでなくツアーやレクチャーも開催しているため、初心者でも安心して一色の海を楽しむことができます。 一色BOAT公式instagramでは、たくさんの楽しみ方を発信しています。要チェック!           この投稿をInstagramで見る                       一色BOAT(@isshikiboat)がシェアした投稿 一色BASEでできること 一色BASE外観 一色BASEは葉山一色をめいっぱい楽しむための陸の拠点です。カフェとラウンジが併設されており、ゆったりした空気感の中で「一色ならでは」の食事を楽しむことができます。 いまでもアップデートを続けている店舗のレイアウトや内装もこだわり抜かれていて、初めて来たとは思えない落ち着きを感じます。 WiFiやコンセントなどの設備も揃っているため、少し残した仕事に取り組むこともできます。普段は憂鬱な仕事でも自然光が差し込む落ち着いた光の店内だったら捗るかもしれません。 一色BASE店内 また店舗内では不定期でワークショップやライブも開催されており、ローカルと交流することができます。 アウトドアアクティビティを楽しんだ後に、美味しいご飯を食べながらローカルと語らう。葉山一色のライフスタイルに溶け込んだ休日で新しい趣味を見つけましょう。 未来の世界的ブランド?一色ロゴを身につける ボートやボート小屋、店舗内など一色BASEのロゴをたくさん見かけます。実は一色BASEではファッションアイテムの販売も行なっています。 一色BASEにて販売 フーディからショーツ、Tシャツなどアウトドアファッション定番のアイテムに、ワンポイントの一色ロゴが目を引きます。 定番アイテム以外にも、「マスク」や「風呂敷」なども販売しています。 「風呂敷」は一枚当たり1,000円とお手頃ですが、一色BASEで購入したお弁当を持ち帰るためのエコバッグとして、また砂浜でのレジャーシートとして、マルチユースでとても優秀!ローカルライフには欠かせないマスクと風呂敷はオンラインショップでは販売しておらず、店舗限定での販売だそうです。 定番アイテムについては、オンラインショップでも購入することができます。 一色BOATへのアクセス・料金 一色BOATでは今回ご紹介しきれなかったほど多くのマリンギアのレンタルを行なっています。マリンギアによって値段も変わるため、公式サイトよりご確認ください。 一色BOATの楽しみ方 ここまでご紹介した一色BOAT。設備は十分に揃っているため、どれだけ楽しめるかはあなたの発想にかかっています。 休日にアウトドアアクティビティだけを目的に訪れるのはもったいない!ここでは一色BOATならではの楽しみ方をいくつかご紹介します。 休憩がわりにマリンアクティビティ!西海岸の働き方を葉山で実践 皮肉にもコロナウイルスにより整備が進んだリモートワーク。フルリモートとまでは行かなくても、リモートワーク制度を設けている会社は多いのではないでしょうか。 しかしリモートワークで自宅で働くことができるとはいえ、環境を変えることができなかったり、子どもがいたり、いまいち集中できていないという人も多いと思います。 どこでも働くことができるようになったからこそ、「どこで働くか」の重要性が高まっています。 カフェなどさまざまな選択肢がある中で、その一つとして「一色BOAT」をおすすめします。 集中できる環境がある 一色BOATが位置するエリアは日中でも静か。店内のレイアウトも木目調のものが多く、自然に集中できる環境が整っています。また高速Wi-Fiや電源も整備されており、ノンストレスで仕事に取り組むことができます。 都心から好アクセス 都心から一色BOATまでは公共交通機関を使っても1時間程度。普段から通勤にそれだけの時間をかけている方も多いはず。いつもは憂鬱なはずの通勤時間でさえも、目的地が変わるだけでわくわくする時間に変わるかもしれません。 海からの近さ 特にお勧めなのがこちら!陸の拠点である一色BASEから海岸までその距離、たった徒歩三分。一色BOATに至っては海岸にあります。普段はスマホを見ながらご飯を食べるだけの休憩時間が、サーフィンやSUPに取り組む待ち遠しい時間になります。 体を動かすことで疲れた頭をほぐすことができます。 「どこで働くか」が重要になる時代に、自分が最大限のパフォーマンスを出すことができる場所を選択しましょう。 これが最強?葉山女子旅きっぷとの組み合わせ 京浜急行から発売されている葉山女子旅きっぷ。お得に葉山を楽しむことができることもあり年々人気が高まっています。このきっぷは電車・バスの乗車券の移動手段と食事、そしてお土産の交換券がセットになった、とてもお得なきっぷです。 女子旅きっぷHPより しかし、紹介されている多くのモデルコースやアクティビティは「お散歩」「食べ歩き」が中心となっています。 「休日はアクティブに体を動かしたい!」という方にこそ、女子旅きっぷと一色BOATとの組み合わせはおすすめです。 葉山には「名島」という海に浮かんだ鳥居があります。陸とは繋がっていないため、普通は立ち入ることができない場所ですが、ボートやSUPなどをレンタルすることで上陸することができます! 葉山ならではのゆったりとした時間をさらに楽しむために、ボートやSUPで海上散歩に出かけましょう。 さいごに 今回は葉山一色の「一色BOAT」をご紹介いたしました。都心から約1時間のアクセスで、自然に親しむ葉山一色ならではのライフスタイルを体感することができます。豊かなフィールド、そしてたくさんのアクティビティが揃っているなど、想像力次第で無限の楽しみ方があります! 次の休日に「一色BOAT」に行ってみてはいかがでしょうか。

  • 「自分らしいライフスタイルを見つけてほしい」一色ボート・齋藤淳太さん

    逗子・葉山を拠点とする可愛らしい丸いロゴが目印の一色ボート。「葉山一色のライフスタイルを体感できる」一色ボートを運営している斎藤淳太さん。 今回はそんな斎藤さんに、「アウトドア×ライフスタイル」をテーマにお話をお伺いします。 齋藤さん・プロフィール 葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス ー本日はよろしくお願いいたします!まず始めに齋藤さんが運営されている一色ボートについて簡単にご説明いただけますか? (齋藤さん)一色ボートは葉山一色ならではのライフスタイルをテーマにしたブランドです。また、手ぶらで「葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス」です。 ボートやサーフボード、SUPボードなど、マリンアクティビティギアのレンタルを行なっていて、自然と生活が近い一色ならではのライフスタイルを体感することができます。また、陸の拠点として一色ベースがあります。一色ベースでは食事をとったりワークショップに参加することができます。 一色ベース外観 「自分のブランドを持ちたい」 ーご紹介いただきありがとうございます。ライフスタイルをテーマにした総合ブランドなんですね!では、なぜ齋藤さんは一色アウトドアーズを始められたのですか? (齋藤さん)それは「自分のブランドを持ちたい」という想いがあったからです。僕は長年のキャリアで、ディズニーや21世紀FOX、カプコンなどのキャラクタービジネスやそのブランディングに携わってきました。 ※ブランディング・・・ある商品やサービス、コンテンツに特定のイメージを与えること。 そこでいわば他人のブランドを使って仕事をする中で、「自分のブランドを持ちたい」と思うようになりました。そんなときに、タイミングよくボート屋の先代が後継者を探していて、手を挙げたことが一色アウトドアーズを始めたきっかけです。 実は、一色ボートは、先代の時代には貸しボートのみを行っていたんですよ。そこにSUPやサーフィン、自転車などのアウトドアと一色のライフスタイルをテーマに大きく生まれ変わったんです。そして一色ボートを数年やるうちに、一色ならではのライフスタイルをより楽しむために陸の拠点が欲しくなって一色ベースを立ち上げました。 ラウンジ内観 「転換ではなくプラス」 ー今の一色ボートになるまでに、そんな経緯があったんですね!長年のキャリアから、独立してボートハウスの経営にうつる中で、転換や困難が多くあったと思いますがいかがでしたか? (齋藤さん)転換ではなくプラスだと考えています。ボートハウスの経営自体は新しいことですが、全体を通して僕が取り組んでいることは「一色ブランド」の認知拡大です。 つまり、自分の生み出したコンテンツのブランディングを行っているんです。 「一色ブランド」は今はまだあまり知られていません。「一色ってどんなブランドなんだろう?」「一体なんなんだろう?」という一色ブランドへの認知を「ローカル体験ができる場」というブランディングを行い、ビジネスを普及していきます。 一色ならではのライフスタイル ーなるほど!ローカル体験ができる場としてのブランド、すごく素敵ですね!ところで「一色ならではのライフスタイル」とは具体的にどのような様子なのでしょうか? (齋藤さん)「自然が身近にあるライフスタイル」だと思います。 目を覚ましたらコーヒーを淹れて、マグカップ片手に海まで散歩。波を見てその日に何のアクティビティに取り組むか悩む。「いい波が来てるからサーフィンにしよう。」散歩から帰って残ってる企画書に取り組んで。休憩がてらサーフィンに出かける。 そんなライフスタイルは理想止まりではなく、葉山では実際に行っている人がいるんです。 また、葉山・一色は海のイメージが強くありますが、実は山もあります。自転車に乗って山や棚田に遊びに行く。それもローカルならではの楽しみ方ではないでしょうか。 ー一色ボートに来たらそんなローカル体験が気軽に楽しめるんですね! (齋藤さん)そうですね!一色ボートでは、一色ならではの海を楽しんでもらうために多くのマリンギアのレンタルを行っています。そしてそのマリンギアも「安かろう、悪かろう」ではなく、「自分が本当に持っておきたいもの」を選んでいます。 もちろん、ローカル体験は海だけではありません。陸の拠点であるここ一色ベースでもローカル体験ができるんです。 一色BASE店内・広い机で交流が生まれる ここ一色ベースでは食事や酒類の提供を行っています。そして店内では、不定期でワークショップやライブを開催しています。ローカルと直接話すことで、ローカルの生活に溶け込むことが出来ます。 世界に広げる「〇〇ベース」 ー自分がSUPの体験に来たときも、ローカルのサーフィン好きの人と仲良くなれました!「ローカル体験の場」としての一色ボート、今後の展望はどうお考えでしょうか? (齋藤さん)今後は世界各地に「〇〇ベース」を拡大していきたいですね。例えば国内では「白馬ベース」、またハワイだったら「ホノルルベース」やカリフォルニアでは「マリブベース」などが想像できます。それぞれの土地ならではのローカル体験をしつつ、それぞれを行き来できるのが一つの理想の形としてあります。そしてその土地のライフスタイルを「いいな!」と思ってもらうためにはどこかにアウトドアの要素があればいいなと思っています。もちろん織物やジュエリー作成、海岸で拾った貝殻をアクセサリーにするなど、ワークショップといった海以外のローカル体験も考えられますね。 ー世界に広がる「〇〇ベース」すごく面白そうですね! ただ、それに関してはまだ夢の段階です(笑)目先では、よりローカルを体験してもらうために、ガイドの拡充を進めています。 今はレンタルが中心になっていますが、ギアを貸し出すだけではなく、大枠の希望からその人や天気にあったコンシェルジュのようなガイドがあれば面白いと思います。 一色BASE店内にはライブを配信するカメラ 「一色ボートで自分らしい生き方を見つけて欲しい」 ー最後に、齋藤さんご自身の想いをお聞かせ願えますか? (齋藤さん)はい、一色ボートを通して自分らしい生き方を見つけて欲しいと思います。 「自分の生活を楽しくしたい」という思いはみんな持っていると思います。一色ベースに来てローカル体験をすることで、「こんなライフスタイルもあるんだ!」と、それぞれの価値観に合った楽しみ方を見出してくれたら嬉しいです。 そして、その過程で「一色ベース的な価値観」を作っていきたいです。それは、実際に葉山一色に住むローカルが実践している、海で遊んだり自然を満喫しながら、生活するという価値観です。 ー僕も一色ボートを通して「自分らしい生き方」について改めて考えさせられました。今日はどうもありがとうございました! さいごに 夢や想いを語る齋藤さんの目は輝いていた。それは齋藤さん自身が「自分らしいライフスタイル」を実践しているからこそなのだろう。 一色ボートは次々と新しいことに取り組む。「一色ボート」のブランドが浸透することで、避暑地として有名な葉山・一色を代表するブランドになるだろう。また一色という土地にとどまらない有名ブランドになる将来が楽しみだ。

  • 知床で登山するなら知床山考舎がおすすめ!その理由とアクティビティをご紹介

    圧巻の大自然を味わうことができる北海道・知床。 ドライブや遊覧船など、さまざまな方法で知床の魅力を楽しむことができます。 その中でも、ディープな知床を味わいたいのであれば、知床の地で長くガイドを営む「知床山考舎」がおすすめ! この記事では以下の内容を中心に、知床山考舎さんに実際にインタビューした生の情報をお伝えします。 ・なぜ知床山考舎がおすすめなのか・どのような体験を楽しむことができるのか 知床に行ったことがある人も、行ったことがない人も、最大限知床を楽しむ情報を知るために必見の情報です。 ぜひ最後までご一読ください。 知床山考舎とは? 知床山考舎とは、2003年に設立された知床エリアを中心とした山岳ガイド会社です。 「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」という代表の滝澤さんの想いにより運営されています。 代表の滝澤さんの想いについて興味のある方はこちらの記事をご一読ください。 https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/ 滝澤さんは知床エリアでの登山ガイドの第一人者であり、知床山考舎では知床の山々を楽しむことができます。 知床エリアでの登山がおすすめな理由:「とにかくすごい密度」 知床エリアを楽しむ方法は無数にありますが、ディープな知床を味わいたいのであれば登山がおすすめ。 その理由は「とにかく密度がすごいから」。 知床山考舎代表・滝澤大徳さん 知床山考舎の代表・滝澤さんは知床の山についてこのように話します。 「山と海とすごくダイナミックな景色を楽しむことができます。 もちろん見た目だけでなく、環境の変化の仕方もダイナミックなんです。 羅臼岳は1661mしかないけど、本州の北アルプスの2800-2900mの環境に匹敵すると言われています。 幅の狭い知床半島に垂直面がぎゅっと押し込まれているわけだから、その分濃い環境を味わうことができますよ。」 知床を代表する羅臼岳 知床には、何万年も前の火山活動によって形成された急峻な山々や、切り立つ海岸線が広がります。 オホーツク海と太平洋を分けるように突き抜けた狭い半島に、豊かな自然がぎゅっと詰まっています。 知床山考舎が、初心者にも玄人にもおすすめな3つの理由 ここまで、知床での登山の魅力についてご紹介しました。 ここからは、知床で登山をするときに、知床山考舎が誰にとってもおすすめな以下の3つの理由について詳しくご説明します。 安全性が高いこと 経験豊富なガイド 幅広い対応力 それぞれについて詳しく見ていきましょう。 理由1. 安全性が高いこと まず1つめに、知床山考舎の高い水準での安全対策により、安全性が高いことが挙げられます。 登山には魅力が多くありますが、その一方で危険も多く存在します。 知床山考舎の代表・滝澤さんや他のスタッフの方は2003年のガイド会社設立以来、高い安全性を保つために認定制度の受講など、自己研鑽を続けています。 また、ツアー中の衛星携帯電話の導入や、冬山登山における雪崩対策のためにアバランチトランシーバ(雪崩ビーコン)を導入したり、高い安全性を保っています。 理由2. 経験豊富なガイド 2つ目に、知床山考舎の豊富なガイド経験がおすすめな理由として挙げられます。 知床山考舎の代表・滝澤さんは、実際に知床エリアに在住するガイドというだけでなく、登山道の整備などにも携わるなど豊かな経験を持ちます。 冬の知床連山での滝澤さん・知床山考舎さまご提供 知床の山について誰よりも考えて、実際に行動している知床山考舎だからこそ、安心してガイドに参加することができます。 理由3. 幅広い対応力 知床山考舎では、決められたルートを、ただガイドについていく形式のツアーではなく「その人が何を求めているのか」を重視してガイドをしています。 これはプライベートガイドだけでなく、気軽に参加できるスケジュールガイドでも、その姿勢を貫いています。 「知床の山でこんなことがしたい」「この景色を絶対に見たい」という思いが強い人は、知床山考舎がおすすめです。 ツアー中の景色・知床山考舎さまご提供 ここまでご紹介したように、知床山考舎は不安なことが多い登山の初心者の方にとっても、より高みを目指したい上級者の方にとってもおすすめな山岳ガイドです。 知床山考舎のおすすめアクティビティ2選 ここからは、知床山考舎が提供するアクティビティについて、以下の2つのジャンルをご紹介します。 ・トレッキング・ハイキング どちらのアクティビティも知床の大自然を味わい尽くすことができます。 それでは詳しく見ていきましょう。 1.トレッキング まず初めにご紹介するのは、「知床山考舎」の名前にもある「山」のアクティビティであるトレッキングです。 羅臼岳山頂からの眺め・知床山考舎さまご提供 知床山考舎の代表・滝澤さんは知床の魅力について「広がり的には狭いのかもしれないけど、密度が高く、自然が広がっている」と語ります。 そして同時に「知床連山は海に突き出ていて、山に登りながら海を眺めることができますが、そんな環境ってあまりないですよね。」とも話します。 オホーツク海と太平洋を分けるように突き抜けた半島には、大自然がぎゅっと詰まっていて、登山ではその大自然を全て楽しむことができます。 滝澤さんの言葉に興味のある方はこちらの記事もご覧ください https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/ 大迫力のテント場・知床山考舎さまご提供 知床山考舎では、参加者に合わせたさまざまなプランがあり、多くの楽しみ方を提供しています。 詳しくは知床山考舎の公式HPをご覧ください。 ▼知床山考舎・公式HPhttp://info.trek-shiretoko.com/?page_id=2135 2.ハイキング トレッキングよりも手軽に知床を楽しみたい方におすすめなのがハイキングです。 夏には羅臼湖や硫黄山新噴火口をハイキング、冬にはスノーシューを履いて瑠辺斯岳や天頂山などを楽しむことができます。 硫黄を含んだ蒸気が立ち上る噴火口は圧巻そのもの・知床山考舎さまご提供 トレッキングに比べて手軽なので、天候が悪くて元の予定を楽しむことができないといった時でも知床の織りなす大自然を満足に味わうことができます。 スノーシューでたどり着いた絶景・知床山考舎さまご提供 まとめ この記事では知床の大自然を堪能するために、おすすめなアクティビティについてご紹介しました。 記事の内容をまとめると以下のようになります。 知床山考舎は20年近く知床エリアの山々を思って行動を続ける山岳ガイド会社 知床エリアは大自然の密度が高く、登山がおすすめ 知床山考舎は初心者にも玄人にもおすすめ また、知床山考舎の代表・滝澤さんは非常に素敵な想いを持って山岳ガイドを続けています。 ぜひこちらの記事もご覧ください。 https://spark-pjt.com/shiretoko-sankosha-interview/

  • 【知床山考舎代表・滝澤大徳氏に聞く】北海道・知床の山への想い

    北海道の北東部に突き出た、大自然が色濃く残る知床半島。 知床半島の豊かな生態系を支える一つに、羅臼岳・硫黄山・天頂山が連なる知床連山があります。 今回は、その知床連山で専門山岳ガイドを20年近く続けている知床のプロ「知床山考舎」の滝澤さんに、ガイドを始められた経緯や想いをテーマにお話を伺いました。 20年近く変わらない想いを抱き続ける滝澤さんのお話は、自然を愛する人なら誰もが共感するものだと思います。 どうぞ最後までお読みください。 知床山考舎・滝澤さん 経歴:博物館、地方公務員、そして知床山考舎の旗揚げ ー本日はよろしくお願いします。簡単に現在の山岳ガイドとしての活動をご紹介いただけますか? よろしくお願いします。 知床連山をはじめとした、北海道のさまざまな山々のプライベートガイドをしています。 そのほかにも、ツリーイングのインストラクターから、取材のガイドやコーディネーターまで幅広く活動しています。 また、羅臼岳などの山岳環境の保全活動にも主体的に取り組んでいます。 保全活動のご様子。近自然工法を採用している。知床山考舎様ご提供 ーありがとうございます!今は専門の山岳ガイドとして活動されている滝澤さんですが、これまでのご経歴をお伺いできますか? 函館の隣町である北斗市で生まれ、高校まで函館で過ごしました。 その後は大学進学に伴い札幌に移り、在学中の4年間は札幌近郊の江別市にいましたね。 高校、大学と、ボート部やワンダーフォーゲル部に所属していたので、学生時代から常に自然には触れていました。 大学生のとき、学芸員を目指して部活に励んでいたところ、ちょうど知床博物館で調査補助員の求人募集があり、知床に来ることになりました。 調査補助員として採用されて、夏の間は遺跡の発掘に関わっていましたが、冬の間は館内で学芸員の補助としていろいろな体験をさせてもらいました。 その後は周りの勧めもあり、公務員試験を受けて斜里町に採用され、自然保護係に配属されました。 そこでは、知床100平方メートル運動の事務局や知床エリアの調査でヒグマの捕獲を手伝うなど、一般に知床を楽しむ以上のことをさせてもらいましたね。 自然保護係として勤務したあと、観光課でも働きましたが、北海道のアウトドアガイド制度が始まったこともあって、ガイドとして独立し、知床山考舎を立ち上げ、今に至ります。 ※アウトドアガイド制度とは2002年から始まった公的なガイド認定制度。参加者の安全だけでなく、ルールや環境にも配慮しつつ自然の素晴らしさを紹介してするアウトドアガイドについて、北海道知事が認定する資格制度です。 北海道アウトドアセンター資格制度業務センター ツアーではこんな景色が見られます。知床山考舎様ご提供 ーなかなか面白いご経歴ですよね。なぜガイドとして独立しようと考えたのでしょうか? 当時、斜里町には「プロの登山ガイド」がいなくて、自分がその役割を担うことができるんじゃないかと思いました。 博物館にいた頃や町職員として働いていた頃も、観光目的だけでなく、調査目的での知床の山に関する問い合わせがたくさんありました。 しかし、山について専門的な知識を持っていて、それに対応できる、いわゆる「プロの登山ガイド」がいなかったんですよね。 そんな問い合わせがあると私に回ってくることが多かったのですが、職員であるからどうしても対応できる範囲が狭かったんです。 ガイドである前に職員であるから、立場的に、地域や山に対して意見を言っても弱かったり、ガイドもほとんどボランティアみたいになってしまい、責任があいまいになっているのを当事者として感じていました。 ちょうどその頃に、北海道でアウトドアガイド制度が始まったんです。 そのガイド制度のモデルケースでの協力を求められ、それに関わったときに「もやもやしていたけど、ガイドをやればいいんじゃないか」と気づきました。 最初は、役場の仕事をしながら夏山ガイドの資格を取って将来に向けて準備を始めましたが、やはりガイドに専念したいと思い、2003年の7月に知床山考舎を立ち上げ、今に至ります。 知床山考舎様ご提供 想い:「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」 さまざまなお仕事を経て、専門の山岳ガイドの活動を始めた滝澤さん。知床山考舎を立ち上げて20年弱が経ちますが、立ち上げた当初から今まで同じ想いでガイドを続けられています。 ーどのような想いでガイドをされていらっしゃるのでしょうか? 「知床の山をこれからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していく」という想いですね。 そもそも知床山考舎を始めたきっかけは、プロのガイドがいないことによるさまざまな課題を解決したいと思ったことでした。 当時から今までその想いは変わっていません。 登山道整備という形で直接的に山に手を加えているのも、多くの人に楽しんでもらうためですね。 そのほかにも、取材協力など、いろいろな形で山の情報について発信していますが、全ての活動がその想いに繋がっています。 これからも多くの人に楽しんでもらうために何ができるか考えて行動していくことが必要だし、今後も知床山考舎として活動を続けていこうと思っています。 知床山考舎様ご提供 「考」であり「行」であり「工」であり「孝」である知床山考舎 ー何ができるか考えて行動していく。まさに「山考舎」ですね。 そうですね。知床山考舎の名前にはいろいろな想いが込められています。 山行という意味での「行」。 また、私たちだけでなく、山に入る人にはその山のことを「考」えてほしい。 そして考えた上で「行」動してほしい。 そして私が担っている山の環境整備という工事の「工」もそうだし、山に恩を返す意味で親孝行の「考」。 知床山考舎の名前には、全ての意味や考えをまとめた想いが込められているんです。 知床山考舎ロゴ・参考舎さまご提供 知床連山の魅力:「広がりは狭いけど密度がある」 ー想い、そしてその想いが込められた「知床山考舎」という名前、全て素敵です!多くの人に楽しんでもらいたいとのことですが、滝澤さんが感じられる知床連山の魅力はどこにあるのでしょうか? 広がり的には狭いのかもしれないけど、密度が高く、自然が広がっているところでしょうか。 知床連山は海に突き出ていて、山に登りながら海を眺めることができますが、そんな環境ってあまりないですよね。 冬はオホーツク海に押し寄せる流氷を楽しむことができる・知床山考舎様ご提供 山と海とすごくダイナミックな景色を楽しむことができます。 もちろん見た目だけでなく、環境の変化の仕方もダイナミックなんです。 羅臼岳は1661mしかないけど、本州の北アルプスの2800-2900mの環境に匹敵すると言われています。 幅の狭い知床半島に垂直面がぎゅっと押し込まれているわけだから、その分濃い環境を味わうことができますよ。 ーそれだけ濃い魅力を味わうことができるんですね!ぜひ冬山では滝澤さんにガイドをお願いしたいです。本日はありがとうございました! 取材の終わりに 知床エリアが世界自然遺産に登録される前からガイドとして活動し続けてきた滝澤さんの想いは「誰かのために」という気持ちが根本にありました。 そして、目の前にある課題に対して、静かに、そして確実に一歩一歩行動していく姿はとてもかっこよかったです。 そんな滝澤さんの姿を見て、働く意義について改めて考えさせられました。

  • 北海道・清里ならではをぎゅっと一瓶に。じゃがいも焼酎「北海道 清里」

    「水の生まれる里」北海道・清里町。 北海道の北東部に位置する清里町には、その名の通り清らかな水と、綺麗な水が生んだゆったりとした風景が広がります。 清里町の名産品であるじゃがいも焼酎「北海道 清里」には、この土地ならではの魅力がぎゅっと詰まっています。 そんな「北海道 清里」は、その成り立ちから現在に至るまで、想いのバトンを綿々と繋いできました。 今回はじゃがいも焼酎「北海道 清里」に詰まった清里町ならではの魅力やこだわりをご紹介します。 実際に取材に行ったからこそ得られた生の情報をお届けしますので、ぜひご一読ください。 じゃがいも焼酎「北海道 清里」の原点から今に至るまで 製造当初から今まで町民から広く愛されるじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 「北海道 清里」は、1975年に自治体主導の焼酎蔵として事業を開始して以来、50年弱の歴史があります。 その始まりから今に至るまで、さまざまな人の想いがバトンのように繋がれてきました。 町民の想いをカタチに 百名山・斜里岳から流れる清らかな水と肥沃な土壌。 そして雨の少ない環境と日本屈指の大規模農業を活かして、清里町では昔から馬鈴薯(ジャガイモ)や小麦、甜菜(ビート)といった畑作が盛んに行われてきました。 しかし、それらの農作物は出荷後にでんぷんや砂糖など、他の形に加工されてしまい、町としての特産品はない状態でした。 そういったなかで、町民の「清里町の誇れる特産品がほしい」という想いが生まれ、1975年に自治体主導でじゃがいも焼酎の事業を始めました。 戦時中、清里町からほど近い北見市で、じゃがいもからアルコール燃料を作る事業が行われていた背景もあり、「じゃがいもからアルコールができるのなら、焼酎もできるのではないか」という発想から、じゃがいも焼酎が生まれたそうです。 全くのゼロから手探り状態でのスタートを切った焼酎造り。 当時清里町に入庁したばかりのひとりの町職員が、街からの勅命を受け、焼酎造りという困難なプロジェクトに取り組むことになりました。 彼は明治時代からの歴史ある国立醸造試験所での約1年間の研修後、4年近い試験製作を行い、1979年に「じゃがいも焼酎 きよさと」として販売を開始しました。 発売当時は焼酎ブームだったことや生産量が少なかったことから「まぼろしの焼酎」と呼ばれるなど、焼酎ファンの間で密かに人気を集めていました。 リブランディング その後、複数の焼酎ブームに乗る形でじゃがいも焼酎「北海道 きよさと」の人気は拡大を続けました。 また、各時代に求められるように商品ラインナップを増やした結果、同時期に最大で20ほどのブランドがあったといいます。 さまざまなデザインやブランドが混在していた状況にありましたが、2010年代後半の焼酎ブームの落ち着きに伴い、デザインの変更に乗り出したのが当時製造担当の職員であった廣谷さんでした。 廣谷さんは網走で生まれ育ち、東京農業大学で醸造学を学んだのちに、焼酎の醸造を行うために2007年に清里町へやって来ました。 そして、ローカルデザインの第一人者である江戸川大学(当時)の鈴木輝隆教授の助力を得ながら、大黒大悟、天宅正、高田唯の3人のデザイナーを中心としたプロジェクトチームを立ち上げじゃがいも焼酎全体のリブランディングに取り組みました。 リブランディングとは事業や製品の世間からの「見られ方」を企業が目指すブランド像に近づけること。具体的には、コンセプトやパッケージ、ロゴなどの刷新を指す。 廣谷さんは「清里町の魅力と北海道らしさがはっきり伝わるデザインを目指しました」と話します。 リブランディングに際して、実際にデザイナーたちも清里町を訪れ、町民を巻き込みつつ、「清里町の魅力」について2年かけて話し合いました。 その後、2014年に「焼酎を日本のスタンダードから、世界のスタンダードへ」をコンセプトにリブランディングが完成。 リブランディングでは、コンセプトの刷新から商品ラインナップ、瓶の形状までも大きく変更され、じゃがいも焼酎「北海道 清里」は次の時代へ歩みを進めました。 「清里町ならでは」が詰まったじゃがいも焼酎「北海道 清里」 想いのバトンを繋ぎ続け、現在まで50年近く製造が続くじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 これだけ長く愛される背景には「清里町ならでは」へのこだわりがあります。 ここでは、そのこだわりを2つご紹介します。 ・原材料へのこだわり・コンセプトへのこだわり 原材料へのこだわり じゃがいも焼酎「北海道 清里」の原材料は大きく分けて「じゃがいも」「水」「大麦」の3つ。 そのうち、じゃがいもと水は清里町産のものを100%使用しており、大麦も清里町が位置する北海道道東エリアのものを使用しています。 廣谷さんは「お酒造りというのは、でんぷん質や糖質を発酵させてアルコールに変化させるので、寒暖差の大きい清里町で作っているでんぷん質が多いじゃがいもはお酒造りととても相性がいいんです。それに、でんぷん質が多いかわりに他の成分が少ないので、余計な雑味が少なく、綺麗な焼酎が造りやすいんですよ。」と話します。 「水源地が斜里岳の山の方にあるので、水源地と醸造所がとても近く、水の品質がいいんです。うちの蔵で実際に仕込みに使っている水も、町で使われている水道水と同じ水を使用しています。」 つまり、斜里岳に近く水が美味しい、清里町ならではの気候と農作物が、じゃがいも焼酎「北海道 清里」の美味しさを作り出します。 コンセプトへのこだわり 2014年に行われたリブランディングでは、「清里町ならでは」がより伝わるようなコンセプトやデザインに刷新されました。 じゃがいも焼酎「北海道 清里」のボトルデザインには3つの丸のマークが配置されています。 実はこの3つの丸、それぞれに意味があり、清里町の「自然」と「農業」と「人々」を象徴しています。 世界自然遺産・知床にほど近く、美しい斜里岳を望むことができる豊かな自然。 その自然が生み出した水や気候を活かした清里町の農業。 そして何よりも、清里町の温かい人々。 廣谷さんは「仕事しているなかで町の人と関わる機会がありますが、農家さんや酒屋さんなどのお酒に関わる人だけでなく、本当にいろいろな人が温かく応援してくださる」と話します。 50年前の町民の「自慢できる特産品がほしい」という想いを次の世代に繋ぎ続け、今でも進化を続けるじゃがいも焼酎「北海道 清里」。 「清里町ならでは」をぎゅっと詰め込み、カタチにしたお酒でした。 【直接聞いてきた!】じゃがいも焼酎おすすめの飲み方 「本格焼酎」と聞くと少し癖がありそうでとっつきにくく感じますが、このじゃがいも焼酎はとても飲みやすいんです。 そのまま飲むだけでもとても美味しいのですが、さらに美味しく飲む方法があるそう。 普段からじゃがいも焼酎「北海道 清里」を愛飲する廣谷さんに、おすすめの飲み方を聞いてきました。 ー廣谷さんおすすめの飲み方はありますか? 〈原酒〉はお湯割り、〈樽〉はソーダ割がおすすめです! まずは本来の味わいを知ってもらって、そこからいろいろな楽しみ方を探していただければ嬉しいです。 また、町の若者からは、ジンジャエールで割ったり、紅茶やジャスミンティーで割ったりといった飲み方も聞きますね。 他にも、珍しいところで言うと、「パーシャルショット」という飲み方でもお楽しみいただけます。 アルコール度数の高いお酒を氷点下にして、お猪口でぐいっと飲むのですが、とろみがついてとても美味しいんですよ。 <樽>の貯蔵は圧巻だ。 ーいろいろな楽しみ方ができるんですね!普段はどういった楽しみ方をされているんですか? 私の場合は「原酒」を食中酒として飲むことが多いです。焼酎そのものを楽しみたいときは、味の濃いものや揚げ物などの脂っこいものとの相性がいいですね。 「スタンダード」はより癖が少ないので、幅広い料理に合わせることができます。 それこそ海鮮やじゃがいもサラダなどの素朴な味わいの料理と相性がいいですね。 ー全て美味しそう!北海道の地のものとの組み合わせはそそられますね! 居酒屋さんに提案するときも、じゃがいも料理との組み合わせなどを提案していますね。 揚げ芋を濃い味にして提供すると合いますよ、といった感じで。 ーいろいろ試してみようと思います! ありがとうございました! 「北海道 清里」どこで飲める? ここまでご紹介してきたじゃがいも焼酎「北海道 清里」は、オンラインショップや通販で購入することができます。 通販サイト 楽天やAmazonをはじめとした通販サイトで気軽に購入することができます。 自社出荷「北海道 清里 700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon 自社出荷「北海道 清里〈樽〉700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon 自社出荷「北海道 清里 原酒5年 700ml」常温北海道 焼酎 じゃがいも ジャガイモ 酒 北海道産 お取り寄せ 贈り物 プレゼント お土産 お中元posted with カエレバ楽天市場Amazon オンラインショップ 清里焼酎醸造所の公式オンラインショップでも購入することができます。 メジャーな3種類だけでなく、飲み比べなどの様々なサイズを取り扱っています。 最後に 今回ご紹介したじゃがいも焼酎「北海道清里」。 様々な人の想いを持った行動や、その想いに感化された人の応援で、これまで50年もの歴史を作ってきました。 さらには、リブランディングを経て、日本国内だけでなく世界を見据えるようになりました。 世界のスタンダードとしてのじゃがいも焼酎をこれからの50年間で造っていくのでしょう。 北海道清里町ならではがぎゅっと詰まった「北海道 清里」。 ぜひ飲んでみてください。

  • 「受け継いで今後に繋いでいく」北海道・清里町でじゃがいも焼酎を造る廣谷さんの想い

    世界自然遺産知床からほど近く斜里岳が悠然とたたずむ美しい町、北海道・清里町。 ここには、自然豊かな清里町の恵みを最大限活かした焼酎造りを営む「清里焼酎醸造所」があります。 そこで主査として清里焼酎醸造所を統括する廣谷さんは、ある想いを持って焼酎造りに取り組んでいます。 今回は廣谷さんに、綿々と受け継がれてきた焼酎造りにかける想いや、今後の展開についてお話をお伺いします。 清里焼酎醸造所主査・廣谷さん 清里焼酎醸造所1975年に、「清里町産として誇れる特産品が欲しい」という町民の声から、日本で初めてとなるじゃがいも焼酎造りを開始。原材料のほとんどが清里町産であり、製造開始から約50年経つ現在でも、町民の間で広く愛されています。2014年にはリブランディングを行うなど、今後さらに世に広まっていくことが期待されます。 清里焼酎醸造所ご提供写真 詳しくはこちらの記事をご一読ください。▼清里焼酎醸造所・じゃがいも焼酎の記事はこちら!<紹介記事リンク> ご経歴:醸造学科を卒業し焼酎の道へ ー本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単にご経歴をお伺いできますか? よろしくお願いします。 北海道網走市で生まれ育ち、高校時代に「発酵」に興味を持ちました。その後、東京農業大学醸造科学科に進学して微生物について学びました。 大学卒業後にご縁があり、北海道に戻ってきて、この焼酎蔵で働いています。 現在は勤めてから15年が経ち、主査として「焼酎造り」に広く携わっています。 ーなかなか面白いご経歴ですね!なぜ高校時代に「発酵」というニッチな分野に興味を持たれたのでしょうか? 大きく何かきっかけがあったというわけではないのですが、理由の一つに、お酒などの発酵食品に興味があったことが挙げられます。 また、今でいうSDGsのような環境的持続性を考えるなかで、これからの社会において「発酵」は重要で、微生物を使った醸造学が盛り上がるのではないかと思いました。 専攻としては「酒造り」ではなく、微生物を使った「環境改善」がテーマでしたが、当時学んだことは今でも仕事に繋がっています。 ー先見の明がすごいですね!大学で学ばれた後に、就職に際してUターン(地元に帰って働くこと)されたんですね。 高校時代まで北海道で暮らしていて、働くならやっぱり自分の生まれた場所で働きたいという思いがありました。 その当時、この清里醸造所も後継者がいないということで大学の醸造科に募集をかけていまして、そこで私が手を挙げた形です。 当時の所長は、事業を始めた頃から焼酎造りを一身に受け持ってこられた方で、お酒造りの知識や設備が全く何もないところから、設計など醸造を確立されたんです。 話を聞いてみて、「この人の下でなら働いてみたい」と思い、ここで働くことにしました。 清里焼酎醸造所ご提供写真 新しい焼酎のあり方を考える:リブランディングへの取り組み ー焼酎造りに携わって15年、さらに現在は主査という立場で焼酎造りを統括されていらっしゃいますが、具体的にどのようなお仕事をされていらっしゃいますか? あまり大きくない醸造所ということもあり、醸造から販売まで、自分ができることはなんでも手広く携わっていますね。 醸造のシーズンは醸造にかかりっきりになってしまいますが、それ以外のシーズンは展示商談会に出展したり、取引先への挨拶周りも行っています。 ーこれまでの15年間で印象深い取り組みはありましたか? 2012年ごろから、じゃがいも焼酎全体のリブランディングに取り組みました。 新しい焼酎のあり方を考えながら、職場環境の変化もあったので、変化が多く大変な時期でしたね。 <リブランディングとは・カード挿入> 清里焼酎醸造所ご提供写真 ーデザインがとにかくかっこいい!リブランディングに取り組んだ理由や背景は何かあったのでしょうか? 2003年から続いていた本格焼酎ブームの落ち着きによって売り上げが目に見えて落ちていたことと、その施策として商品種類を増やしていたことがあります。 売り上げに対して何か手を打たなければいけないと考えていました。 そのうえ、商品種類が増えれば増えるほど経費がかかってきますし、デザイン的なばらつきも気になっていたので、デザインを変更できないか、個人的に取り組んでいました。 そんなとき、当時江戸川大学の教授だった、ローカルデザインの第一人者である鈴木輝隆氏のご助力をいただくことになり、デザイン事務所と一緒に焼酎全体のリブランディングに取り組むことになりました。 清里焼酎醸造所ご提供写真 ーリブランディングにおいて廣谷さんはどのような関わり方をされたのでしょうか? デザインをするにあたって、私たち清里町がどのようなことを伝えたいのか、また何を軸にするのかということを明確にする必要がありました。 デザイナーの方にも実際に清里町に来ていただいて、清里町の景観をはじめとした街のイメージを掴んでいただき、私たち職員だけでなく一般の町民の方々を巻き込んで、その軸を決めていきました。 新しいロゴやボトルデザイン、コンセプトに至るまで、全てそのとき決めた軸を中心に作られています。 ▼詳しいリブランディングの話はこちらの記事をご一読ください。 <紹介記事へのリンク> 「受け継いで今後に繋いでいく」廣谷さんの想い 50年近く伝統が続くじゃがいも焼酎を、ただ守るだけでなく、より広く伝えるために“攻め”の施策に取り組む廣谷さん。ここからは廣谷さんの想いについてお話をお伺いします。 ー焼酎造りに携わって15年、さらに現在は主査という立場で焼酎造りを統括されていらっしゃいますが、どのような想いでいらっしゃいますか? これまで50年近く、町民に愛されながら綿々と受け継がれてきたじゃがいも焼酎を受け継いで今後に繋いでいくというのが私の使命であると思っています。 ー素敵ですね!そのような想いをお持ちになった理由は何でしょうか? そもそもじゃがいも焼酎ができたきっかけが、町民の「清里町産として誇れる特産品が欲しい」という想いなんです。 そして、そのような町民の想いをじゃがいも焼酎の生みの親である故・長屋氏が何もない状態からカタチにしていきました。 そのような綿々と紡がれた想いを引き継いだからこそ、清里町が存続する限りじゃがいも焼酎を造り続けていきたいと思います。 そして、これまでの担当者がゼロから作り上げた焼酎の造り方や売り方などを含めて今後の世代に繋いでいきたいですね。 世界を見据えて足元を固める ー今後、そのような想いを伝えていくためにどのような人々に届けたいと思いますか? 第一に、焼酎好きの方に「こんな焼酎もあるんだよ」とお知らせしていきたいです。 それに加え、北海道の本格焼酎に馴染みのない人たちがたくさんいるので、「北海道の地酒としてこんなものがあるんだよ」というのを広く知っていただきたいなと思います。 とはいえ、じゃがいも焼酎の認知度自体がまだまだ低い状態です。 じゃがいも焼酎ってこういうものなんだよ、というところから丁寧に伝えていくことが必要だと考えています。 ー2014年には大々的なリブランディングも行われていますよね。リブランディングをされていかがでしたか? 前のデザインだと焼酎好きの方が買っていくイメージが強かったんですけど、デザイン変更後は普段焼酎を飲まない人にも手に取って選んでいただけるというパターンが増えてきましたね。 本格焼酎は「癖が強い」「飲みづらい」というイメージが先行していますが、うちのじゃがいも焼酎は親しみやすく、焼酎を飲みたがらない方にも受けやすい仕上がりにしています。 品質の特徴とパッケージがぐっと近づいたことで、お客さんにも手に取っていただきやすくなりました。 ー僕もパケ買いしてしまいました!(笑)商品メッセージに「焼酎を世界のスタンダードに。」とありますが、世界を見据えていらっしゃるんでしょうか? ありがとうございます!(笑) でも、世界的に見れば焼酎自体はまだまだニッチでこれからの段階です。 ただ、世界中にあるお酒のなかでも、同じジャンルでこれだけ原材料の幅がある蒸留酒は非常に珍しいんです。そのなかでも、微生物や麹を使って造る焼酎は非常に稀だと言われています。 「SAKE」や「ジャパニーズウイスキー」が世界的にも高く評価されていますが、それらの人気に焼酎も続いていきたいですね。 ー世界に広がるじゃがいも焼酎、楽しみです!今日はありがとうございました! 取材の終わりに たくさんの人の想いのバトンが形になったじゃがいも焼酎「北海道・清里」。 ただ伝統を守るだけでなく、今後の未来を見据えて一本一本丁寧に造られていました。 丸みを帯びた優しい味わいで、これまで焼酎に触れてきていない人にもおすすめです。 知床に行ったら絶対に飲んでみてほしい、そんな逸品でした。 <購入リンク挿入>

  • 【日本一面白い】仕掛けだらけの水族館・北の大地の水族館

    ハッカとカーリングの街・北海道北見市。オホーツク海から大雪山まで伸びる、東西で100kmほどの距離がある北海道一大きい自治体です。 その北見市内留辺蘂(るべしべ)町というオホーツク海から約70kmほどの内陸部に「北の大地の水族館(山の水族館)」があります。 この北の大地の水族館、一周の所要時間が約20分ほどの小さな水族館ですが、ここならではの尖った展示や仕掛けで日本全国にファンがいます。 今回は、そんな北の大地の水族館をご紹介します。 実際に取材に行ったからこそわかる生の情報が詰まっています。 ぜひ最後までご一読ください。 北の大地の水族館とは? 北の大地の水族館・ご提供写真 北の大地の水族館は、1978年に「山の水族館・郷土館」として開業しました。 開業当時、山の水族館の横を通る国道39号線は、札幌から旭川や層雲峡を抜けて北見、網走に抜ける観光の主要国道で、それに伴い温根湯温泉エリア全体が栄えていました。 その頃、網走には「オホーツク水族館」という水族館があり、当時の町長の「網走に海の展示があるのだから、川沿いに山の中の水族館があってもいいじゃないか」という発想で開業することになりました。 海から離れていたこともあり、海水を取水することが難しく、川魚のみの展示でスタートしました。 水族館プロデューサー・中村元氏がリニューアルを手がける たくさんの地元の人たちや観光客から愛された旧山の水族館ですが、開業から30年以上経ち、施設の老朽化が目立ったため、2012年にリニューアルすることになりました。 そのリニューアルに大きく関わったのが日本で唯一の水族館プロデューサーである中村元氏。 中村氏は鳥羽水族館や新江ノ島水族館、サンシャイン水族館などのさまざまな水族館のリニューアルに携わってきました。 中村氏の手法として「水塊 (すいかい)」と呼ばれる、まるで水中にいるかのような感覚と「行動展示」という、ただ生き物を見せるのではなく生態に即して動く姿を見せる二つの手法があります。 この北の大地の水族館でもその二つの手法を随所に見ることができます。 館長の想い「とにかく水族館を楽しんでほしい」 北の大地の水族館・山内館長 リニューアル時からさまざまな展示や企画に携わってきた山内館長は、「とにかく水族館を楽しんでほしい」という想いから、展示の見せ方やお客さんとの接し方など、全てにおいて「ゲストを楽しませる」という軸を大切にされています。 ▼詳しい山内さんの想いを伺った記事はこちら! https://spark-pjt.com/onneyu-aq-interview/ ここにしかない!?北の大地の水族館ならではの展示 ここからは、中村氏や山内館長をはじめとするたくさんの人々が作り上げた、北の大地の水族館ならではの展示についてご紹介します。 北の大地の水族館が位置する北海道・道東の大自然、そして、温根湯温泉エリアの魅力である「豊かな自然環境」「厳しい自然」「豊富な温泉」をダイレクトに感じることができる展示がたくさんあります。 【まるで水中世界】滝つぼ水槽 引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/2980134 北の大地の水族館に入ると、はじめに滝つぼ水槽が目に入ります。 ここでは、まるで滝つぼを水中から見上げているような浮遊感を感じることができます。 実はこの滝つぼ水槽ですが、水中感や浮遊感を楽しんでもらうために、さまざまなこだわりが隠されているんです。 その一つが「あえて滝を見せないこと」です。 滝つぼ水槽は、実際の滝と同じように水を高さをつけて落とすことで作られています。 また、水中の循環ポンプで水中から水上に向けて噴き上げるように泡を作ることで、より自然な水中感や浮遊感を感じることができます。 ただ、「滝を見る」のではなく「水中世界を感じてほしい」という想いから、あえて滝の部分は見せないようにしているそうです。 また、もう一つのこだわりが「生態に合った展示方法」です。 滝つぼ水槽で展示されている可愛らしい淡水魚・オショロコマ。 彼らは実際に川の上流に生息しており、滝つぼの縁に多く見られるそうです。 この水族館でも、その姿を再現するために滝から餌を落として水槽の上部に誘導するなど、オショロコマの自然の姿を見ることができるよう、こだわりが隠されています。 【冬は水面が凍る!?】四季の水槽 一つ目の水槽を抜けると見えてくるのが「四季の水槽」。 この水槽は実際に外と繋がっていて、春夏秋冬と毎シーズンごとの北海道の川の水中世界を再現しています。 取材に伺った初夏はエゾウグイが気持ちよさそうに泳いでいましたが、秋口にかけてヤマメや鮭、カラフトマスなど、そのシーズンに合った魚が展示されるので、どの季節に行っても楽しむことができます。 特に目を引くのが「冬の四季の水槽」。 北の大地の水族館・提供写真 外気に触れているので、冬の寒い時期にはこの水槽の表面が凍ります。 旧山の水族館時代には、冬は閉館していましたが、リニューアルに伴い冬も営業を行うことになりました。 北海道の冬は寒さが厳しく、なかなか来館客を引き付けることが難しいと予想されました。 そこで、その寒さを逆手にとって「寒いからこそ見える景色」でお客さんを呼び込もうとしてできたのが四季の水槽。 北の大地の水族館・提供写真 冬の時期の水槽の掃除は、氷の表面に穴を開けて潜水して行います。 一年に2回しか見ることができない冬の掃除のシーン、見逃せませんね。 【日本最大級の淡水魚】イトウの展示 日本最大級の淡水魚である「イトウ」の展示は大迫力。 北の大地の水族館では、イトウの展示に力を入れていて、大きく育ったイトウだけでなく、卵や稚魚も展示しています。 ここまで大きく育つことができるのは、その生息地が栄養豊富だということの証拠。 つまり、北海道の豊かな土壌をイトウの姿から見て取ることができます。 実は昔、イトウは全道的に生息していましたが、現在はその生息域がどんどん縮小しています。 山内館長は「イトウってすごい大きな魚なんだね!すごいね!と感じてもらうことで、自然界での実際のアクションをする人が一人でも増えればいい」と話します。 さらに、山内館長は「イトウは北海道の川や湖においてのアンブレラ種です」と続けます。 「アンブレラ種であるイトウを守ることが、北海道の豊かな河川・湖の環境を守ることにつながります。展示をきっかけにイトウに興味を持ってくれたら嬉しいです。」 ▼アンブレラ種とは地域の生態ピラミッドの頂点にある生き物で、アンブレラ種が生育できる環境を保護することで、その傘下にあるほかの種の生育までをも保全することができ、広い面積にわたる生物の多様性が保たれることになるという保全上の戦略的な考え方。 北海道の豊かな自然に思いを馳せながら、水の中をゆったり泳ぐイトウをぜひ一度見に来てください。 【温泉水で育てた熱帯魚】世界の熱帯魚コーナー 最後にご紹介するのは「世界の熱帯魚コーナー」。 ここで展示されている熱帯魚は、水族館のある温根湯温泉の温泉水で育てられます。 旧山の水族館時代に、冬の閉館時に温泉水で飼育したところ、魚の傷の治りが早かったり、生育が少し早かったことから、温泉水が利用されるようになったそうです。 来館客を楽しませるたくさんの仕掛けへのこだわり 北の大地の水族館では、「お客さんを楽しませる」さまざまな仕掛けへのこだわりが散りばめられています。 数えきれないほどある仕掛けですが、ここでは3つご紹介します。 独創性あふれる手作りのPOP 北の大地の水族館では、各展示の周りに独創性あふれる手作りのポップが所狭しと貼られています。 ニジマスとのLINEのトーク画面やプロフィール帳を模した「うおふぃーる帳」など、刺さる人にはとことん刺さるPOPを楽しむことができます。 館長が出てくるボタン Twitterで一躍有名になったのがこの「館長が出てくるボタン」。 少しでも館内でのコミュニケーションを増やしたい、との想いで2020年の夏に山内館長がスタートしたこの仕掛け。 ボタンを押すと山内館長が出てきて会話をすることができます。 このボタンを設置した詳しい想いや背景については、ぜひインタビュー記事をご覧ください。 https://spark-pjt.com/onneyu-aq-interview/ いただきますライブ イトウの水槽で行われる「いただきますライブ」。 自然では当たり前のように行われているものの、普段は目にすることができない生の「捕食」を目の当たりにすることができます。 ※現在一時的に開催が休止されています。詳しくはHPをご確認ください。 【施設情報】料金・アクセス 施設名北の大地の水族館(山の水族館)公式サイトhttps://onneyu-aq.com/営業情報(営業時間)8:30~17:00 (4月~10月) 9:00~16:30 (11月~3月) 料金一般:670円中学生:440円 小学生:300円支払い方法現金のみアクセス〒091-0153 北海道北見市留辺蘂(るべしべ)町松山1-4車で行く場合(北見市街から) 国道39号線で約40分(旭川市街から) 国道39号線で約2時間30分公共交通機関を使う場合(電車) JR留辺蘂駅から道の駅おんねゆ温泉行きバス約20分。終点下車後徒歩2分。(バス) バスの時刻表は公式HPより駐車場情報あり(無料)普通車37台/身障者用2台

  • 「水中世界を楽しんでほしい」北の大地の水族館館長・山内創さんの想い

    北海道北見市から車で1時間ほどの場所にある「北の大地の水族館(山の水族館)」。 ここは他の水族館とは一味違う、館内には来館者を楽しませる仕掛けだらけの「徹底的にふざける」水族館。 その背景には、2012年のリニューアル当初から中心にいる山内さんの姿があります。 今回は山内館長に、北の大地の水族館にかける想いや、さまざまな仕掛けの裏側についてお話をお伺いします。 北の大地の水族館館長・山内創さん 北の大地の水族館1978年に開業。2012年には水族館プロデューサーである中村元氏が手がけ、リニューアルオープン。「滝つぼ水槽」を代表とする目を引く水槽や独自性のある展示など、来館者を楽しませる仕掛けが各所に散りばめられています。 ご経歴:移住して水族館の館長に ー本日はよろしくお願いします。まず簡単にご経歴のご説明をお伺いできますか? よろしくお願いします! 愛知県で生まれ、小さい頃から魚をはじめとする生き物が大好きでした。 自分で生き物を育てていた経験から、いつか水族館の飼育員になりたいと思っていました。 大学では海洋系の学部に所属し、その後にここ、北の大地の水族館にて採用され、小さい頃からの夢を叶えることができました。 ー縁もゆかりもない北海道に移住ですか!不安はありませんでしたか? 当時は「どこでもいいから水族館で働きたい」という思いの方が強かったです。 むしろ小さい頃からの夢を叶えられるということで高揚感もありました。 働き始めてからスタッフやお客さんなど、いろいろな人と関わることで、よりこの水族館のことが好きになりましたね。 今は館長として、普段の水族館の運営からさまざまな企画まで携わっています。 「とにかく水族館を楽しんでほしい」 2012年のリニューアル当初より水族館の運営に携わってきた山内さん。水族館での勤務を通して、館長になった現在まで、ある想いを大切にしていると言います。 すごくシンプルですが「とにかく水族館を楽しんでほしい」という想いで普段お客様と接しています。 「どうやったら楽しんでもらえるか」、それだけを考えて館内での仕掛けやさまざまな活動に取り組んでいます。 ーその想いを抱くようになったきっかけは何かあったのでしょうか? 実際に水族館で働いた経験が大きいです。 それこそ学生時代は「水族館は生物を見せる場所であって、生き物のことを正しく伝えることが重要」だと考えていました。 でも働き始めてから、お客さんがすごく楽しんでくれている姿を見る機会がたくさんありました。 そのときに「水族館は訪れる人にとって、ただいるだけでも楽しい場所なんだ!」と気付きました。 私自身は魚がすごく好きで、魚を見ているだけで楽しいんです。 でも、一般の人がそうでないことは、知識として知っていても実感はなかったんですね。 実際に働き始めて、老若男女いろいろなお客さんの姿を見て、「別に魚を好きじゃなくても楽しんでくれているんだ!」というのをちゃんと感じることができました。 だからこそ、魚が好きではない人にも楽しんでもらえるような、親しみやすい水族館を目指しています。 ーそうなんですね。それでいうと館内のさまざまな仕掛けでは「楽しませてやる」という気持ちをひしひしと感じます。(笑) 結局、水族館が楽しくないと魚のことを知ろうと思ってもらえないんですよね。 ポップなどの仕掛けを通して「楽しかったね!また来たいね!」と思わせることで、魚を好きになってもらう第一歩になるんじゃないかと思います。 そして「あの水族館楽しかったね」の思い出の中に一つでも、「そういえばさ、あの魚って〇〇らしいよ。」といった会話があれば嬉しいです。 普段は「どうやったらお客さんに楽しんでもらえるか」ばっかり考えていますし、だからこそ、LINE風の紹介やプロフィール帳を模した展示などを作って、楽しんでもらえるように心掛けています。 「全力でふざける」さまざまな仕掛け 山内さんが館長を務める「北の大地の水族館(山の水族館)」には、「とにかく水中世界を楽しんでほしい」という想いをカタチにしたさまざまな仕掛けがあります。 その仕掛けについて「全力でふざけることが大事」と話す山内館長。 最大公約数を狙うのではなく、刺さる人にとことん刺さるように作られているんです。 だからこそ、北の大地の水族館では他の水族館では見ることができない珍しい仕掛けを楽しむことができます。 その一つが「館長が出てくるボタン」。 ーTwitterでもバズっていた「館長が出てくるボタン」。なぜ始められたのでしょうか? さまざまな狙いはありますが、最初はとにかく暇で作りました(笑) このボタンは2020年の7月に設置したのですが、当時は緊急事態宣言による休館や、開館していてもお客さんが来ない状態が続きました。 やっぱりお客さんに楽しんでもらうことが自分の楽しみなので、お客さんが来ないと寂しくてかまってほしくて、勝手に設置してしまいました。(笑) 設置当時は面白がってもらえるかな、とは思っていましたが、まさかこんなにバズるとは思っていませんでした。 ーちなみにどのような狙いがあったのでしょうか? 館内でのコミュニケーションを増やすことが狙いでした。 当館は小さな水族館で20〜30分で一周してしまうんです。 でも、小さい水族館の中でお客さんとのコミュニケーションを増やすことで、滞在時間も増えて満足度も高くなる。 そしてさらに、私たちが伝えたいことを伝えやすくなると考えました。 ー結構押されるお客さんは多いんですか? 正直なところあまりいません。月に10回ほどです。 押してくれるお客さんも、「これを聞きたい!」という内容があるというよりも、この発想を面白がってボタンを押してくれる方ばかりですね。 「面白かった展示は?」「好きな魚は?」など、私から質問することもあります。 とにかく水族館を楽しんでもらうきっかけになっていたら嬉しいです。 北見市民に愛着を持ってもらえる水族館をめざす 山内さんの「楽しませたい」という想いはとどまるところを知らない。 今後の展望を話していただきました。 ー今後、その想いをどのような人に届けていきたいといった展望はお持ちですか? 水族館の足元である北見市の人たちに「地元の水族館」という意識を持ってほしいです。 北見市は10数年前に一市三町が合併してできた道内で一番広い自治体なんです。 端から端まで100kmもあるほど広く、しかも水族館はその端に位置します。 北見市内には、北の大地の水族館が北見市の施設だと認識していない人がたくさんいます。 それってすごくもったいないし、寂しいですよね。 今はとにかく北見市の市民に「まちの水族館」だと感じてほしいです。 きっと観光客も、地元の人が楽しいよって言ってるところに行きたいのではないかと思います。 ー素敵ですね!今後北見市の人たちに対して何か新しい仕掛けは考えられていらっしゃいますか? 今年でリニューアルオープンから10年を迎えますが、その10周年記念事業として「出前水族館」を開催します。 とても広い北見市、その中の一つ一つの自治体をまわって、一日水族館をお楽しみいただきます。 移動式だからこそ楽しんでいただけるような、さまざまなコンテンツを用意しています。 ▼出前水族館について詳細はこちら!https://www.city.kitami.lg.jp/administration/news/detail.php?news=854 他には、より親しみやすい水族館になるためにガイドツアーができたらいいなと考えています。 ぜひそのツアーの中でも全力でふざけて楽しませていきたいですね。 ー山内さんの「全力でふざける」。今後も楽しみにしています!今日はありがとうございました。 取材の終わりに 今回訪れた「北の大地の水族館」。 小さいながらもその密度は今まで体感したことのないほどで、「楽しんでほしい」をピュアに突き詰めた、山内さんをはじめとする飼育員の方々の努力を垣間見ることができました。 今回の取材で2回目の来訪。きっと3回目のタイミングは思ってるよりも早く来るのだろう。 ぜひ道東に行くときは一度訪れてみてください。

  • 琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持つ木造帆船サバニを体感できる「HENTONA SABANI」

    穏やかな空気が広がる沖縄本島北部に位置する大宜味村。耳をすませば、水の音と鳥の鳴き声が聞こえてきます。 いつもの観光とはちょっと違う、沖縄ならではの体験を求めている方におすすめなのが、ここ「HENTONA SABANI」。 HENTONA SABANIでは琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持つ「木造帆船サバニ」を体験することができます。 当記事では体験の概要のご紹介から、実際に体験したHENTONA SABANIの魅力をお伝えいたします。 「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」 ツアーガイドを担当してくれるのは船長の邊土名 徹平(へんとな てっぺい)さん。 邊土名さんは「木造帆船サバニの魅力をより広い世界、より遠い世代へ伝えていく」ために2020年にHENTONA SABANIを立ち上げました。自身がサバニをきっかけに幸せに出会った経験から想いに至ったそうです。 HENTONA SABANIではサバニ大工として造船を行うとともに、帆かけサバニツアーも催行されています。 そんな邊土名さん、「一度サバニに乗れば絶対に魅力を感じてもらえる」と熱く語ります。そこでここからは邊土名さんに伺った木造帆船サバニの魅力やHENTONA SABANIで体験できるツアーについてご紹介いたします。 ▼邊土名さんの想いを伺った記事はこちら! https://spark-pjt.com/post-528/ 木造帆船サバニとは?そしてその3つの特徴的な魅力 今回の記事の主役である「木造帆船サバニ」。 そもそもサバニとは何なのでしょうか?また邊土名さんが伝える木造帆船サバニの魅力はどこにあるのでしょうか? ここでは簡単に木造帆船サバニの概要と魅力について解説します。 実用的に活躍してきたサバニ 木造帆船サバニとは沖縄や周辺の島々で古くから使われてきた、エーク(櫂・パドル)と帆で進む木造帆船です。 一本の木をくり抜いて造る丸木舟をルーツとして持ち、複数の木材をはぎ合わせて造られます。 現代の形になったのは1800年代後半と言われていて、1950年代以降にエンジンやFRPが登場するまで漁や物資の運搬、移動手段としてなど実用的に活躍していました。 木造帆船サバニの3つの大きな魅力 代表的な魅力は3つあります。 人工物でありながら自然に溶け込んでいる点エーク(櫂・パドル)と帆、2つの動力で進む楽しさ沖縄ならではを体感できる点 それでは、それぞれ解説していきます。 人工物でありながら自然に溶け込んでいる点 海にぽつんと浮かぶサバニ。人の手が入った人工物のはずですが、どこか自然に溶け込んでいるような佇まい。 実は全て自然素材で作られています。 ボディを形作る木材はもちろんのこと、木材同士をつなぎ合わせるフンドウと呼ばれるパーツも木製で、打込む釘は竹製です。また船のコーティングにも、自然由来の材料が用いられています。 すべて地球に還る素材で作られているからこそ、自然に溶け込んだ美しさがあります。 エーク(櫂・パドル)と帆、2つの動力で進む楽しさ 木造帆船サバニの動力は2つ。エーク(櫂・パドル)を使って漕ぐ力と、帆を操り風を受けて進む力。 片方ではなく両方の動力があるからこそ、凪のときでも進んでいくことができます。 船上で聞こえるのは周りの自然の音のみ。まるで船ごと自然に溶け込んだかのような感覚を楽しむことができます。 沖縄ならではを体感できる点 琉球王朝時代の丸木舟をルーツに持ち、沖縄や周辺の島々で古くから使われてきたサバニ。 沖縄には様々な観光資源がありますが、その中でも沖縄でしか体感できない、この島ならではの魅力を求めている方にサバニはうってつけです。 HENTONA SABANIでは、そんな魅力いっぱいの木造帆船サバニに、実際に乗って楽しむことができるんです! HENTONA SABANIでできること HENTONA SABANIでは2種類のアクティビティを提供しています。 帆かけサバニ スノーケルツアー帆かけサバニ クルーズツアー それぞれの詳細と魅力をご紹介します! 帆かけサバニ スノーケルツアー こんな人におすすめ! 船の上も海の中もどちらも存分に楽しみたい方 ツアーの詳細 ツアー料金大人(13歳以上)9,000円(税込)小人(12歳以下)5,000円(税込)料金に含まれるもの・保険料・スノーケル3点セット(マスク、スノーケル、フィン)・ライフジャケット・ウェットスーツツアーのスケジュール・詳細はじめに足の着く場所でスノーケルのレクチャー。初心者でも安心です。サバニに乗ってスノーケリングポイントまで一回目のクルーズ!ポイントに到着してサバニから海へダイブすると、日常では見ることができない、美しい海中世界が待っています。海中をめいっぱい楽しんだ後は、サバニに戻って陸まで二回目のクルーズ!支払い方法現金のみ体験時間2時間所要時間3時間準備していくもの(必須)・水着(服の中に着てお越しください)・濡れても良い履き物(マリンシューズ推奨)・タオル・着替え準備していくもの(あれば便利)・帽子・飲み物 帆かけサバニ クルーズツアー こんな人におすすめ! 泳ぎは苦手だけど沖縄の海を楽しみたい方 小さなお子様がいらっしゃる御家族 ツアーの詳細 ツアー料金大人(13歳以上)6,000円(税込)小人(12歳以下)3,000円(税込)料金に含まれるもの・保険料・ライフジャケットツアーのスケジュール・詳細サバニに乗船して国立公園にも指定されている、美しい塩屋湾のクルーズに出かけよう!ゆったり楽しむも良し。邊土名さんと一緒にエークで漕ぎまくるも良し!支払い方法現金のみ体験時間1時間30分所要時間2時間準備していくもの(必須)・濡れても良い履き物(マリンシューズ推奨)・タオル・着替え準備していくもの(あれば便利)・帽子・飲み物 アクセス 集合場所スノーケルの場合道の駅おおぎみ やんばるの森ビジターセンター〒905-1318 沖縄県国頭郡大宜味村津波95クルーズの場合HENTONA SABANI〒905-1319 沖縄県国頭郡大宜味村宮城365−3車で行く場合(那覇空港から)・沖縄自動車道と国道58号線(約1時間30分)・国道58号線を北上(約2時間)公共交通機関を使う場合(那覇空港から)バスで約2時間30分駐車場情報駐車場あり 体験したからわかった!帆かけサバニツアーの5つの魅力! 取材に伺ったところ、ご厚意でクルーズツアーを体験させていただくことができました。 実際に体験したからこそわかった、5つの魅力をご紹介します。 自然動力なので静かでゆったりとした時間を楽しめる水面近くで風を感じながら進む爽快感転覆する気がしない!アウトリガーで超安定美しいフィールドを堪能する贅沢!船大工でもある邊土名さんの解説 それでは、それぞれ解説していきます。 【魅力1】自然動力なので静かでゆったりとした時間を楽しめる 帆かけサバニに乗船しているときに海上で聞こえるのは船が水をきる音と、風の音、そして周りの自然の音です。 それも帆かけサバニの動力が、エンジンではなく人力と風だからこその魅力です。 またHENTONA SABANIのフィールドである塩屋湾は内海となっており、穏やかな空気が流れます。 ぜひサバニを現代までつないできた人々に想いを馳せてみてください。 【魅力2】水面近くで風を感じながら進む爽快感 音が静かでゆったりしている帆かけサバニ、一方で風をしっかりと掴めばスピードを楽しむこともできます。 自然動力であっても、上級者が操れば、海況によっては20km/hほどで走るポテンシャルがあるという帆かけサバニ。 ぜひ水中に手や足を入れて体感してみてください。 【魅力3】転覆する気がしない!アウトリガーで超安定 HENTONA SABANIの体験で乗船する帆かけサバニには、お客様の安全が第一という考えのもと、船の安定性を高める役割を持つアウトリガーが取り付けられています。 このアウトリガーがあることで、転覆の恐れが少なくなります。 実際に乗船してみましたが、非常に安定しており、老若男女問わず帆かけサバニを楽しむことができます。 【魅力4】美しいフィールドを堪能する贅沢! HENOTNA SABANIのフィールドである塩屋湾、ここはやんばる国立公園に指定されています。また2021年には日本で5例目となる世界自然遺産の一部として、沖縄島北部が登録されるなど、周辺に豊かな自然が残されています。 HENTONA SABANIではそんな美しいフィールドを堪能することができます。 【魅力5】船大工でもある邊土名さんの解説 邊土名さんはツアーの船長だけでなく、サバニを作る船大工としても活動しています。 HENTONA SABANIでは、日本に数人しかいない現役サバニ大工から直接話を聞くことができます。 船をどのように造っているのか、サバニの詳しい歴史、意外なサバニの知識など、ツアーの時間があっという間になること間違いなしです。 さいごに 今回は沖縄県大宜味村の「HENTONA SABANI」をご紹介いたしました。 国立公園に指定されるほど豊かで穏やかな自然フィールドで、琉球王朝時代から綿々と受け継がれてきた沖縄独自の文化に触れることができる貴重な場所。 ガイドブックには載っていない、よりディープな体験が大宜味村にありました。

  • 「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」HENTONA SABANI代表・邊土名徹平氏インタビュー

    静かで穏やかな空気が広がる沖縄県大宜味村。 ここには想いを持って活動する、木造帆船サバニの船大工・邊土名徹平(へんとなてっぺい)さんがいます。 様々な経験をした後に石垣島にてサバニの魅力に出会い、未経験から船大工になり、帆かけサバニツアーを催行するなど、様々な活動に精力的に取り組んでいます。 今回はそんな邊土名さんにサバニにかける想いや、その想いに至った理由について話を聞いてきました。 木造帆船サバニを体験できるツアー ー本日はよろしくお願いします。まずはサバニについて知らない人もいると思うので、簡単にサバニについてご紹介いただけますか? (邊土名さん) よろしくお願いします。 木造帆船サバニとは沖縄や周辺の島々で古くから漁や物資の運搬、移動手段などに使われてきた船です。エーク(櫂)による漕ぐ力と、帆を操作して受ける風の力で進みます。 造船工程で、複数の木材をはぎ合わせる際、金属の釘などを使わずに、木製のチギリ「フンドウ」や、竹製の釘を用いることも特徴です。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ー海に浮かぶ木造帆船、沖縄の青い海と空にぴったりで美しいですね!邊土名さんは具体的にどのような活動をされているのでしょうか? (邊土名さん) HENTONA SABANIを立ち上げ、サバニを造る船大工としての活動と、帆かけサバニツアーでの船長兼ガイドとしての活動に取り組んでいます。 ツアーでは老若男女問わず、サバニの魅力を感じていただいていて、とても嬉しいです。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーHPにてお写真を拝見しましたが、参加者の方がとにかく楽しそうにしていますよね!僕もHPの写真を見てこれは魅力的なアクティビティだな!と確信して今回ご連絡させていただきました。 邊土名さんの想い「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」 ー早速ですが、邊土名さんの簡単な経歴や、どのようにしてサバニに出会ったかについてお話をお伺いしてもよろしいですか? (邊土名さん) 沖縄で生まれ育ち、22歳でホテル企業に就職してから、転勤などで日本全国を転々としたのですが、その頃から「なにか沖縄に貢献できる仕事がしたい」という想いが芽生えるようになりました。 そんな中、沖縄は観光立県であるにも関わらず、外国人観光客に対するおもてなしに課題があるのではと感じていた為、”語学力を向上させること、異文化を深く知ること”などを目的に、国外に身を投じることを決め、30歳でホテルを退職後、カナダに移住し一年間を過ごしました。 帰国後、石垣島の旅行会社で働くことになり、八重山諸島の新しい観光素材を発掘する仕事に携わっていたのですが、その仕事の中で石垣島の吉田サバニ造船という場所へ伺ったんです。 そこで海に浮かぶサバニを見て「なんて美しいんだろう」「サバニに一生をかけて携わりたい」と直感的に感じました。 それから一年以上月日が経ったある時期に、「自分が心の底からやりたいことはなんだろう」と自問自答する機会があり、その時に頭に浮かんだのがサバニでした。 そこで旅行会社を退職後、サバニの魅力を知るきっかけとなった、吉田サバニ造船の吉田友厚さんに弟子入りさせていただくことになりました。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーなるほど。サバニとは運命的な出会いをしたんですね!サバニの造船については未経験だったと思うのですが、なぜ弟子入りの決断をされたのでしょうか? (邊土名さん) 理由は2つあります。 1つ目は「自らの手で風を操って船を走らせるという魅力に心の底から惹かれたこと」。 2つ目は「サバニが以前、途絶えかけたという経緯を知って、造船、操船技術を習得し、次の世代につなげたい」と考えるようになったからです。 サバニは、琉球王朝時代の「一本の木をくり抜いて造る丸木舟」をルーツに持ち、その後「複数の木材をはぎ合わせる工法の船」になり、長年引き継がれてきました。 しかし、1950年代以降、エンジンの普及が進み、船の素材としてFRP(繊維強化プラスチック)が主流になったことで、次第に木造帆船のサバニは造られなくなっていきました。 その後、2000年代に入って多くの方々の尽力により、レースやアクティビティなど新たな活躍の場を与えられたことで、木造帆船サバニの魅力が見直されはじめ、今日に至ります。 このような経緯を知ったことで、「この素晴らしい文化を今後も途絶えさせてはいけない。私も次の世代につなぐ一役を担いたい。」という気持ちが強まっていきました。 長年模索し続けてきた「なにか沖縄に貢献できる仕事がしたい」という想い。 その”なにか”とは、自分にとってサバニの魅力を伝えていくことなんだと感じたことがサバニ大工への弟子入りを決心させました。 ーサバニの魅力を伝えていく、とても素敵ですね!強い想いを持って活動なさっていますがその原動力を聞かせてもらえますか? サバニの魅力に惚れ込み、「造船と操船を学んで、次の世代へ引き継ぐ担い手となりたい」という気持ちを持ってはじめた修行でしたが、その後、自分自身がサバニとの出会い、サバニを通した出会いで幸せになったことをきっかけに、サバニが幸せを運ぶ船だと確信するようになりました。 サバニ大工の修行中に最愛の妻と出会うこともできましたし、今は生まれたばかりの息子もいて、本当に心から幸せなんです。 その他にもサバニを通して、お金では得られない幸福、自然と共生することの大切さなど多くを学び、さらには自分のルーツを深く知るきっかけともなりました。現在はそのルーツとなる大宜味村へ移住して、自然に囲まれた、心の豊かな生活を送っています。 そんな自分自身の経験や、サバニに関わる周りの方々が幸せになっていく様子を見て、たくさんの人にサバニを通して得られる幸せを感じてほしい。と考えるようになりました。そこから生まれた想いが「木造帆船サバニの魅力を伝えていく。より広い世界、より遠い世代へ。」です。 HENTONA SABANI様ご提供写真 これまでのキャリアを活かして様々な手段でサバニの魅力を届ける ーここまで熱い想いについてお話をお伺いしました。現在はサバニの魅力を伝えるためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。 (邊土名さん) 活動内容としてお伝えした通り、サバニ大工として造船を行いながら、ツアーの船長兼ガイドとして広く楽しんでもらえるようなアクティビティを実施するということがメインですが、 サバニを知ってもらうきっかけとして、インターネットの活用や、オリジナルグッズの販売なども行っています。 HENTONA SABANI様ご提供写真 私は、一度サバニに乗れば絶対に魅力を感じてもらえると強く思っています。一方でサバニの存在自体が十分に知られていないのが現状なので、様々な方法での周知活動を今後さらに強化していく予定です。 ーSNSの写真は本当に楽しそうですよね!これまで様々なキャリアを積まれてきた邊土名さんだからこそ、いい意味で手段を選ばずにサバニの魅力を伝えられてるんですね。 (邊土名さん) 長年に渡りサバニ普及の活動を続けてくださっている先輩方には本当に感謝しており、とても尊敬しています。 その上で、前例にとらわれない取り組みや、時代に合った取り組み、若者向けの取り組みなどを行っていくことも自分の存在意義なのではと考えています。 例えばHENTONA SABANIのグッズを販売している中で「かっこいい、かわいい」と言って身に着けてくださる方がたくさんいらっしゃるだけですごく幸せなのですが、「そこに書いてあるサバニって何?」などの会話からサバニの存在を知ってもらえることもあるようで、とても嬉しく思っています。 そんな小さなやりとりの積み重ねも、サバニファンが増えていくきっかけのひとつとして大切にしていきたいです。 今後突拍子もない取り組みを始めることもあるかもしれませんが、それはあくまで入口であって、全ては「サバニの魅力を伝えていく」という自身で掲げた目標に繋がっているとの考えがあります。 「サバニが過去の栄光として語られるのではなく、現役で活躍し、未来永劫愛され続けてほしい。」 ー2020年に開業されて、3期目に入られたHENTONA SABANIですが、今年はどのような年にされますか?また今後はどのように考えていますか? (邊土名さん) 今年はありがたいことに造船の注文をいただいており、自身の船も含め、年末までひたすらサバニを造り続けていると思います。 ツアーについては、今後も外的要因による影響は続くかと思いますが、そのことに一喜一憂するのではなく、自分自身が現在取り組めること、取り組むべきことにフォーカスして、来てくださるお客様に心から楽しんでもらえるよう、おもてなししていきたいと思います。 また、新たな形での情報発信も手がけていく予定です。 長期の計画としては、スペシャルツアーの催行や、地域のこどもたちとの活動、長距離航海など。他にもたくさんの構想があります。準備が整い次第、順次実行していきたいと思っています。 大きな目標を達成していくには長い年月が必要だと思いますが、私は「一生をかけてサバニに携わる」と、熱意と覚悟を持って決めています。 まだまだ駆け出しの身ですが、これからもサバニを造り続け、サバニに乗り続け、自身の技術を高めていくべく、目の前のことに真摯に取り組んでいきたいと思います。 HENTONA SABANI様ご提供写真 ーお話をお伺いして、僕自身も邊土名さんを通してサバニの魅力が伝わらないわけがないと感じています!今日はありがとうございました。 (邊土名さん) こちらこそありがとうございました! サバニが、過去の栄光として語られるのではなく、現役で活躍し、未来永劫愛され続けてほしいという願いを込めながら、今後も活動を続けていきます。 さいごに 邊土名さんは物腰柔らかだが、内に秘めたる燃える何かを言葉の端々に感じた。邊土名さんの未経験ながらも職人に飛び込む熱意と覚悟。そして一度決めたことを曲げずにやりきる姿勢。 HENTONA SABANIを通してサバニの魅力が世界中に、そしてより遠い世代へ綿々と受け継がれていくと確信した。

  • 葉山・一色ならではのライフスタイルに出会う「一色BOAT」

    海や山などの自然がに囲まれた「葉山・一色」。都心からのアクセスもよく京浜急行から「女子旅きっぷ」が販売されるなど、日帰り旅行先として人気を増しています。普通に遊びに行くだけとはちょっと違う、ここ葉山・一色ならではを体感したい方におすすめなのが「一色BOAT」です。 一色BOATは、「葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス」です。ここでは、まるで葉山に住んでいる友達の家に遊びに行くような、生活に溶け込んだ体験を手ぶらで楽しむことができます。 一色BOATで体感できる「葉山一色のライフスタイル」とは? 葉山一色のライフスタイルとはどのようなものでしょうか?それは一言でまとめると「自然と生活が溶け込んだようなライフスタイル」です。 葉山は海と山に囲まれており自然豊かな土地です。また御用邸があるなど、高級別荘地としても有名でとても静かな場所です。そんな葉山に昔から住んでいる、一色BOAT代表の齋藤さんは葉山ならではのライフスタイルについて次のように話します。 齋藤さん「朝起きたらコーヒーを淹れて、そのコーヒーを持って海岸に散歩に行く。朝に海の様子を確認して、帰って仕事をしつつ肩が凝ったら休憩がわりに海に入りに行く。それができるのが葉山一色です。」 一色BOATロゴと齋藤さん アウトドアメーカーとして有名な「patagonia」がサーフィンにうってつけの、西海岸ならではのライフスタイルが元になっているのと同じように、「一色BOAT」は自然が生活に息づいた、葉山一色ならではのライフスタイルが根っこにあるんですね。 ▼齋藤さんへのインタビュー記事はこちらhttps://spark-pjt.com/isshiki-boat-saitosan/ そんな葉山一色ならではのライフスタイルを体感できる一色ボートについてご紹介いたします。 一色発ブランド!一色BOATできること 一色BOATは、一色のライフスタイルに欠かせないマリンアクティビティのレンタルを行う海の拠点。一色BASEはカフェとラウンジが併設されている陸の拠点。ここではローカルと交流することもできます。 この海と陸の拠点をフル活用することで、手ぶらで葉山一色を楽しみ尽くすことができます。ここからはそれぞれの拠点で体験できる具体的な内容についてご紹介いたします! 一色BOATでできること 一色海岸内ボート小屋 一色BOATでは多くのマリンギアのレンタルを行っています。ボートやSUPボード、サーフボード、釣り道具などをレンタルして、さまざまな方法で一色の海を楽しむことができます。 レンタルできるボートにはロゴの目印。 ボートをレンタルしてシュノーケリングや釣りを楽しむ。SUPボードをレンタルしてゆったりした海上散歩から、ちょっと離れた離島までクルージングなどなど。その楽しみ方は組み合わせ次第でたくさん膨らみます。 また、レンタルだけでなくツアーやレクチャーも開催しているため、初心者でも安心して一色の海を楽しむことができます。 一色BOAT公式instagramでは、たくさんの楽しみ方を発信しています。要チェック!           この投稿をInstagramで見る                       一色BOAT(@isshikiboat)がシェアした投稿 一色BASEでできること 一色BASE外観 一色BASEは葉山一色をめいっぱい楽しむための陸の拠点です。カフェとラウンジが併設されており、ゆったりした空気感の中で「一色ならでは」の食事を楽しむことができます。 いまでもアップデートを続けている店舗のレイアウトや内装もこだわり抜かれていて、初めて来たとは思えない落ち着きを感じます。 WiFiやコンセントなどの設備も揃っているため、少し残した仕事に取り組むこともできます。普段は憂鬱な仕事でも自然光が差し込む落ち着いた光の店内だったら捗るかもしれません。 一色BASE店内 また店舗内では不定期でワークショップやライブも開催されており、ローカルと交流することができます。 アウトドアアクティビティを楽しんだ後に、美味しいご飯を食べながらローカルと語らう。葉山一色のライフスタイルに溶け込んだ休日で新しい趣味を見つけましょう。 未来の世界的ブランド?一色ロゴを身につける ボートやボート小屋、店舗内など一色BASEのロゴをたくさん見かけます。実は一色BASEではファッションアイテムの販売も行なっています。 一色BASEにて販売 フーディからショーツ、Tシャツなどアウトドアファッション定番のアイテムに、ワンポイントの一色ロゴが目を引きます。 定番アイテム以外にも、「マスク」や「風呂敷」なども販売しています。 「風呂敷」は一枚当たり1,000円とお手頃ですが、一色BASEで購入したお弁当を持ち帰るためのエコバッグとして、また砂浜でのレジャーシートとして、マルチユースでとても優秀!ローカルライフには欠かせないマスクと風呂敷はオンラインショップでは販売しておらず、店舗限定での販売だそうです。 定番アイテムについては、オンラインショップでも購入することができます。 一色BOATへのアクセス・料金 一色BOATでは今回ご紹介しきれなかったほど多くのマリンギアのレンタルを行なっています。マリンギアによって値段も変わるため、公式サイトよりご確認ください。 一色BOATの楽しみ方 ここまでご紹介した一色BOAT。設備は十分に揃っているため、どれだけ楽しめるかはあなたの発想にかかっています。 休日にアウトドアアクティビティだけを目的に訪れるのはもったいない!ここでは一色BOATならではの楽しみ方をいくつかご紹介します。 休憩がわりにマリンアクティビティ!西海岸の働き方を葉山で実践 皮肉にもコロナウイルスにより整備が進んだリモートワーク。フルリモートとまでは行かなくても、リモートワーク制度を設けている会社は多いのではないでしょうか。 しかしリモートワークで自宅で働くことができるとはいえ、環境を変えることができなかったり、子どもがいたり、いまいち集中できていないという人も多いと思います。 どこでも働くことができるようになったからこそ、「どこで働くか」の重要性が高まっています。 カフェなどさまざまな選択肢がある中で、その一つとして「一色BOAT」をおすすめします。 集中できる環境がある 一色BOATが位置するエリアは日中でも静か。店内のレイアウトも木目調のものが多く、自然に集中できる環境が整っています。また高速Wi-Fiや電源も整備されており、ノンストレスで仕事に取り組むことができます。 都心から好アクセス 都心から一色BOATまでは公共交通機関を使っても1時間程度。普段から通勤にそれだけの時間をかけている方も多いはず。いつもは憂鬱なはずの通勤時間でさえも、目的地が変わるだけでわくわくする時間に変わるかもしれません。 海からの近さ 特にお勧めなのがこちら!陸の拠点である一色BASEから海岸までその距離、たった徒歩三分。一色BOATに至っては海岸にあります。普段はスマホを見ながらご飯を食べるだけの休憩時間が、サーフィンやSUPに取り組む待ち遠しい時間になります。 体を動かすことで疲れた頭をほぐすことができます。 「どこで働くか」が重要になる時代に、自分が最大限のパフォーマンスを出すことができる場所を選択しましょう。 これが最強?葉山女子旅きっぷとの組み合わせ 京浜急行から発売されている葉山女子旅きっぷ。お得に葉山を楽しむことができることもあり年々人気が高まっています。このきっぷは電車・バスの乗車券の移動手段と食事、そしてお土産の交換券がセットになった、とてもお得なきっぷです。 女子旅きっぷHPより しかし、紹介されている多くのモデルコースやアクティビティは「お散歩」「食べ歩き」が中心となっています。 「休日はアクティブに体を動かしたい!」という方にこそ、女子旅きっぷと一色BOATとの組み合わせはおすすめです。 葉山には「名島」という海に浮かんだ鳥居があります。陸とは繋がっていないため、普通は立ち入ることができない場所ですが、ボートやSUPなどをレンタルすることで上陸することができます! 葉山ならではのゆったりとした時間をさらに楽しむために、ボートやSUPで海上散歩に出かけましょう。 さいごに 今回は葉山一色の「一色BOAT」をご紹介いたしました。都心から約1時間のアクセスで、自然に親しむ葉山一色ならではのライフスタイルを体感することができます。豊かなフィールド、そしてたくさんのアクティビティが揃っているなど、想像力次第で無限の楽しみ方があります! 次の休日に「一色BOAT」に行ってみてはいかがでしょうか。

  • 「自分らしいライフスタイルを見つけてほしい」一色ボート・齋藤淳太さん

    逗子・葉山を拠点とする可愛らしい丸いロゴが目印の一色ボート。「葉山一色のライフスタイルを体感できる」一色ボートを運営している斎藤淳太さん。 今回はそんな斎藤さんに、「アウトドア×ライフスタイル」をテーマにお話をお伺いします。 齋藤さん・プロフィール 葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス ー本日はよろしくお願いいたします!まず始めに齋藤さんが運営されている一色ボートについて簡単にご説明いただけますか? (齋藤さん)一色ボートは葉山一色ならではのライフスタイルをテーマにしたブランドです。また、手ぶらで「葉山一色のライフスタイルを体感できるボートハウス」です。 ボートやサーフボード、SUPボードなど、マリンアクティビティギアのレンタルを行なっていて、自然と生活が近い一色ならではのライフスタイルを体感することができます。また、陸の拠点として一色ベースがあります。一色ベースでは食事をとったりワークショップに参加することができます。 一色ベース外観 「自分のブランドを持ちたい」 ーご紹介いただきありがとうございます。ライフスタイルをテーマにした総合ブランドなんですね!では、なぜ齋藤さんは一色アウトドアーズを始められたのですか? (齋藤さん)それは「自分のブランドを持ちたい」という想いがあったからです。僕は長年のキャリアで、ディズニーや21世紀FOX、カプコンなどのキャラクタービジネスやそのブランディングに携わってきました。 ※ブランディング・・・ある商品やサービス、コンテンツに特定のイメージを与えること。 そこでいわば他人のブランドを使って仕事をする中で、「自分のブランドを持ちたい」と思うようになりました。そんなときに、タイミングよくボート屋の先代が後継者を探していて、手を挙げたことが一色アウトドアーズを始めたきっかけです。 実は、一色ボートは、先代の時代には貸しボートのみを行っていたんですよ。そこにSUPやサーフィン、自転車などのアウトドアと一色のライフスタイルをテーマに大きく生まれ変わったんです。そして一色ボートを数年やるうちに、一色ならではのライフスタイルをより楽しむために陸の拠点が欲しくなって一色ベースを立ち上げました。 ラウンジ内観 「転換ではなくプラス」 ー今の一色ボートになるまでに、そんな経緯があったんですね!長年のキャリアから、独立してボートハウスの経営にうつる中で、転換や困難が多くあったと思いますがいかがでしたか? (齋藤さん)転換ではなくプラスだと考えています。ボートハウスの経営自体は新しいことですが、全体を通して僕が取り組んでいることは「一色ブランド」の認知拡大です。 つまり、自分の生み出したコンテンツのブランディングを行っているんです。 「一色ブランド」は今はまだあまり知られていません。「一色ってどんなブランドなんだろう?」「一体なんなんだろう?」という一色ブランドへの認知を「ローカル体験ができる場」というブランディングを行い、ビジネスを普及していきます。 一色ならではのライフスタイル ーなるほど!ローカル体験ができる場としてのブランド、すごく素敵ですね!ところで「一色ならではのライフスタイル」とは具体的にどのような様子なのでしょうか? (齋藤さん)「自然が身近にあるライフスタイル」だと思います。 目を覚ましたらコーヒーを淹れて、マグカップ片手に海まで散歩。波を見てその日に何のアクティビティに取り組むか悩む。「いい波が来てるからサーフィンにしよう。」散歩から帰って残ってる企画書に取り組んで。休憩がてらサーフィンに出かける。 そんなライフスタイルは理想止まりではなく、葉山では実際に行っている人がいるんです。 また、葉山・一色は海のイメージが強くありますが、実は山もあります。自転車に乗って山や棚田に遊びに行く。それもローカルならではの楽しみ方ではないでしょうか。 ー一色ボートに来たらそんなローカル体験が気軽に楽しめるんですね! (齋藤さん)そうですね!一色ボートでは、一色ならではの海を楽しんでもらうために多くのマリンギアのレンタルを行っています。そしてそのマリンギアも「安かろう、悪かろう」ではなく、「自分が本当に持っておきたいもの」を選んでいます。 もちろん、ローカル体験は海だけではありません。陸の拠点であるここ一色ベースでもローカル体験ができるんです。 一色BASE店内・広い机で交流が生まれる ここ一色ベースでは食事や酒類の提供を行っています。そして店内では、不定期でワークショップやライブを開催しています。ローカルと直接話すことで、ローカルの生活に溶け込むことが出来ます。 世界に広げる「〇〇ベース」 ー自分がSUPの体験に来たときも、ローカルのサーフィン好きの人と仲良くなれました!「ローカル体験の場」としての一色ボート、今後の展望はどうお考えでしょうか? (齋藤さん)今後は世界各地に「〇〇ベース」を拡大していきたいですね。例えば国内では「白馬ベース」、またハワイだったら「ホノルルベース」やカリフォルニアでは「マリブベース」などが想像できます。それぞれの土地ならではのローカル体験をしつつ、それぞれを行き来できるのが一つの理想の形としてあります。そしてその土地のライフスタイルを「いいな!」と思ってもらうためにはどこかにアウトドアの要素があればいいなと思っています。もちろん織物やジュエリー作成、海岸で拾った貝殻をアクセサリーにするなど、ワークショップといった海以外のローカル体験も考えられますね。 ー世界に広がる「〇〇ベース」すごく面白そうですね! ただ、それに関してはまだ夢の段階です(笑)目先では、よりローカルを体験してもらうために、ガイドの拡充を進めています。 今はレンタルが中心になっていますが、ギアを貸し出すだけではなく、大枠の希望からその人や天気にあったコンシェルジュのようなガイドがあれば面白いと思います。 一色BASE店内にはライブを配信するカメラ 「一色ボートで自分らしい生き方を見つけて欲しい」 ー最後に、齋藤さんご自身の想いをお聞かせ願えますか? (齋藤さん)はい、一色ボートを通して自分らしい生き方を見つけて欲しいと思います。 「自分の生活を楽しくしたい」という思いはみんな持っていると思います。一色ベースに来てローカル体験をすることで、「こんなライフスタイルもあるんだ!」と、それぞれの価値観に合った楽しみ方を見出してくれたら嬉しいです。 そして、その過程で「一色ベース的な価値観」を作っていきたいです。それは、実際に葉山一色に住むローカルが実践している、海で遊んだり自然を満喫しながら、生活するという価値観です。 ー僕も一色ボートを通して「自分らしい生き方」について改めて考えさせられました。今日はどうもありがとうございました! さいごに 夢や想いを語る齋藤さんの目は輝いていた。それは齋藤さん自身が「自分らしいライフスタイル」を実践しているからこそなのだろう。 一色ボートは次々と新しいことに取り組む。「一色ボート」のブランドが浸透することで、避暑地として有名な葉山・一色を代表するブランドになるだろう。また一色という土地にとどまらない有名ブランドになる将来が楽しみだ。